薬用植物 ドクダミ

ドクダミは中国では蕺菜(しゅうさい)、魚腥草(ぎょせいそう)などと呼ばれ、民間で広く親しまれている植物です。雲南省辺りでは、新鮮なドクダミの根や葉は薬膳料理としても用いられています。日本名の「ドクダミ」は、「毒矯(た)み」(「矯みる」は「正す」「抑える」という意味)に由来すると言われており、日本でも古くから民間薬として用いられてきました。また、「10種類の薬効を有している」という意味で十薬(じゅうやく)とも呼ばれ、多くの効能がある薬草とされています。しかしこれは、中国から伝わった漢字「蕺(しゅう)」の当て字ではないかとも言われています。

ドクダミの生汁の臭いは強く、デカノイルアセトアルデヒドが主成分で抗菌力が有ります。清熱、解毒、利尿、緩下(排便を穏やかに促進する)作用があり、膀胱炎、皮膚病、蓄膿、腫れ物、痔、脱肛などの治療に用いられます。副鼻腔炎には葛根湯や十味排毒湯(じゅうみはいどくとう)を用いますが、ドクダミの全草を煎じて併用するとより良い効果が得られるようです。

(吉本 悟)