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習近平当局 金融界に反腐敗キャンペーンのメス

2015/10/22 19:22

 中国金融界に反腐敗のメスが入った。北京当局が株急落の責任追及を進めるなか、中国証券最大手である中信証券の程博明・総経理や複数の幹部、そして中国証券監督管理委員会の張育軍・主席補佐が、16日までに相次いで取り調べを受けていたことがわかった。

 中国国内メディアによると、中国株式市場の乱高下の裏に「身内」と外部の結託による、株式市場の弱点への攻撃に原因があるという。中信証券の副理事長には、元国家主席・江沢民派で政治局常務委員の劉雲山氏の息子がいる。同社幹部の取り調べを通じて、劉雲山氏をたたこうとする当局の意図があると、アナリストは分析する。

 金融界に反腐敗のメス

 中国共産党中央規律検査委員会は、9月16日、中国証券監督管理委員会(証監会)の張育軍・主席補佐を重大な規律違反の疑いで調査していると発表した。9月22日、官営メディアは張育軍氏の免職を報じた。これは中国共産党「十八大」以降、大規模な反腐敗運動が始まって以来、証券監督系統で失脚した最高位の役人だ。

 中国国営の新華社通信は9月15日、中国最大の証券会社「中信証券」の程博明・総経理など3人の幹部を公安当局が株式インサイダー取引や情報漏えいの疑いで調査していると伝えた。8月25日にも、同社の徐剛・取締役総経理を含む幹部8人が公安機関の調査を受けていると伝えられた。のべ11人がインサイダー疑惑で調査され、なかには最高管理機構の執行委員会メンバーの4人、つまり幹部層の半数が調査されることになった。

 9月17日の大陸メディアによると、張育軍・主席補佐と程博明・総経理は、2人とも初代中国証券監督管理委員会主席・劉鴻儒氏の学生だったという。

また、多数の中国大陸メディアは、官営色の強い「鳳凰衛星テレビ局」の報道を引用し、社内関係者の自白により、ほかにも証券圏内の80数人が関わっていることが報じられた。さらに、証監会には中央規律検査委員会の巡視チームがすでに進駐し、30数人の大物が制限を受け、出国できなくなったという。

 中信証券の背後

 中信証券は、中国の巨大金融グループ「中信集団」傘下にある。理事長は王炳南・中国元副外相の息子・王東明氏であり、副理事長は現任の劉雲山・政治局常務委員(最高指導部メンバーの1人)の息子・劉楽飛氏である。習近平と江沢民二大陣営が激闘する中国政局において、宣伝系統を管轄する劉雲山氏は江沢民陣営の核心メンバーと言われる。

 報道によると、劉楽飛氏は昨年3月に副理事長になったばかりだが、業内は、劉氏が中国証券界の「プリンス」だと知っているという。今年7月、中国株式市場の危機が表面化した時から、当局は中信証券が空売りに参与していると疑った。しかし表では、同社は、株式市場の危機に対処する「救済チームの主力」と言われている。

 8月25日、中国・証券日報の報道は、「身内」と外部の力が結託し、「中国株式市場の弱点」を攻撃したことを認めた。その前にも中国メディアは近頃起きた中国の「株式市場危機」の裏には悪意的な空売りをする一種または多種の勢力が存在すると報じた。

 中国共産党の財政経済の上層に近い情報筋によると、江沢民系の大企業が何れも中国A株の空売りに参与し、劉楽飛氏はそれを操る1人だという。中国の大手企業の大部分は長期にわたって江派に掌握されてきた

 7月末~8月初め、株市場監督部門は株の異常な取引をした38の口座を制限することを宣告した。その中の二つ、盈峰資本と司度(上海)貿易有限公司はいづれも中信証券営業部で口座を開いた。さらに、司度の前株主も中信証券傘下の会社であった。

 情報筋によると、劉楽飛氏と宣伝系統を掌握している父親の劉雲山氏は、株式市場で連携し内側の情報と操作で利益を騙し取っており、また以前にも同じことをしたことがあるという。 

 先日、香港の東方日報は、程博明氏と徐剛氏は何れも劉楽飛氏の手下と見られるので、習近平陣営の矛先の向かうところは言わなくてもわかることだと報じた。別の分析では、当局は中信証券幹部への取り調べを通じて、劉雲山をたたこうとする意図があるという。

(翻訳編集・金本)

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