自殺、それとも口止め? 中国高官 1カ月で9人が「不審死」

2015/11/26
更新: 2015/11/26

中国で共産党幹部らの「不審死」が相次いでいる。自殺に見立てた他殺、あるいは口止めではないかと、ネットでは憶測が飛び交っている。習近平政権が強める江沢民元主席一派に対する反腐敗運動が一因とみられている。

公表された死亡通知や国内メディアの記事から数えると、10月23日から1カ月で、他殺や自殺などの「不自然な死」を遂げた公務員は9人にのぼる。

当局の死亡通知には、不合理な点が多い。例えば、広西チワン族自治区柳州市の肖文ソン(草かんむりに孫)市長は11月4日、秘書と散歩中、「柵を乗り越えて川に落ち溺死した」と報じられた。11日、吉林省蛟河市公安局長のカク(赤にこざとへん)壮氏は、「執務室の窓を掃除中に転倒して死亡した」という。

6月の上海株の暴落以後、腐敗取り締まりが強化されている証券会社へも、自殺者が出た。10月23日、大手証券会社・国信証券の陳香港社長は自宅で自殺した。陳氏は、金融商品の空売りに関与した疑いで、調査を受けていたとされる。

江沢民派の権力が強かった石油業界にも死者が出ている。中国海洋石油総公司(CNOOC)内の共産党紀律検査組長である張建偉氏が11月3日、北京本部オフィスで死亡したと伝えられた。

高官の死亡事件は中国本土に留まらず、マカオでも発生している。10月30日、マカオ女性税関長の頼敏華氏が公衆トイレで自殺した。頼氏は、江沢民派によるマカオでの資金洗浄(マネーロンダリング)に詳しいとされる人物で、口止め目的で殺害されたのではないかと言われている。

中国共産党の第18回全国代表大会以降、官僚の異常死が急増している。2014年1月から9月までで32人の高官が自殺。2013年の中国共産党中央規律検査委員会の統計資料によると、当時中国本土の各階級別官僚のうち1200人が自殺したという。

(翻訳編集・山本アキ)

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