美味しい野菜シリーズ

里芋

秋も深まり、各地で芋煮会の行われる季節となりました。芋煮と云えば里芋が主役です。ということで、野菜シリーズ第1回目のテーマは里芋です。里芋の原産地はマレー半島付近と云われており、日本には中国を経て伝えられました。里芋栽培の歴史は稲作より古いと言われています。

里芋として食されるお芋は普通、子芋と呼ばれ、親芋に付いた子の部分を里芋と呼んでいますが、八ツ頭の様に親芋も里芋の仲間です。

里芋は日本各地に伝統の品種が根付いています。愛媛の「女早生」、福井の「大野芋」、金沢の「加賀芋」、山梨の「八幡芋」など沢山あります。最近は九州を中心に作られている「石川芋」、関東・東北に多い「蓮葉芋」「土垂芋」などの品種改良されたものも多く出回っています。

南国マレー半島が原産のため寒さに弱く、寒い所で貯蔵すると直ぐに「しもげ」ますから、冬場は暖かい家の中で貯蔵してください。また、付着している土が良く乾いたものを購入すると長く保存できます。土が濡れている場合は日向に一日干してから貯蔵すると良いでしょう。里芋を沢山入れた「けんちん汁」や里芋の「煮っころがし」は、肌寒い夜には最高ですね。

(杉本青果店代表 杉本晃章)