【特別報道】世界には真・善・忍が必要

2015/12/13
更新: 2015/12/13

2015年11月13日、世界中に衝撃が走った。この日に起きたパリ同時多発テロで、20日までに129人が命を失った。その前日に、レバノンの首都ベイルートで自爆テロが発生、43人が死亡した。10月31日、エジプト発サンクトペテルブルグ行のロシアの旅客機がエジプト・シナイ半島で墜落、乗客乗員224人全員に生還者はいなかった。過激派組織IS(イスラミックステート)」による爆弾テロであることが判明した。

命を大切にするのは人類の本能である。罪なき人々を殺戮するのは、人性への最大の踏みにじりであり、文明への攻撃である。一連のテロ事件を受けて、国際社会から非難の声がいっせいに噴出した。「我々はみなパリ人だ」と市民やインターネットから声援の声が高まっている。各国政府もテロリストを打撃するため協議・連携を再開している。

死傷者に対する追悼と声援は、人性の輝かしい部分、人々の平和と安定への憧れ、邪悪に絶対に屈しない決意を表している。

テロリストが一般市民を対象に無差別殺傷を繰り返していることは、世界及び欧州の自由・人権の価値観への厳重な侵害、宣戦布告である。01年の「9・11事件」は世界の政治構造及び歴史の流れを変えたと同様に、今回のテロ襲撃も世界の構図に重要な影響をもたらした。

テロ攻撃発生の根源

世界が深い悲しみに浸るなか、災難が起きる原因をやはり探らなければならない。

テロ組織が形成されるには様々な要因がある。異なる宗教、異なる民族、異なる文化、そして諸大国間の政治関係などにより様々な対立・衝突が生じ、いまのような一見出口の見えない情勢になった。

一部の見方では、欧州の開かれた多元文化、自由・人権の価値観に由来する寛容が、テロ組織に生息の環境を提供した。実際には、自由及び人権にはボーダーラインと原則があり、寛容は邪悪に向けるものではなく、邪悪への寛容は悪魔を助長するに等しい。それどころか、多くの場合、伝統的価値観を堅持しないこと、各種問題において政治的利益を最重要視する現状が、テロリストに成長の環境と土壌を提供した。

根本的な原因は人間の心が堕ちたことにある。伝統的価値観が現代の各種変異した観念と衝突し侵食されることにより、道徳の崩壊が生じ、様々な乱れた社会的現象が現れている。そして、愛情、仁義、信頼、誠意、寛容が人々の心から消え去った。これらすべての問題を解決する根本策は、伝統的道徳価値観を復興させることである。

道徳の崩壊

人類の文明はお互いの愛情と信頼という土台の上に成り立つ。道徳が崩壊することにより、人々は誠意、善性をもって接することができなくなり、お互いへの最低限の信頼を失い、限りなく欲望を放任し、何事においても争い、暴力で問題を解決、傷つけ合うことは至る場面で止むことなく起きている、そしてテロリズム・戦争に対する熱狂は随時に起こりうる。科学技術が発展するにつれ、道徳の制約がないテロリストは大量破壊兵器または壊滅的殺傷力を持つ兵器を容易に入手でき、人類と地球は常に彼らの脅威に曝されている。例えテロ襲撃と戦争が起きなくても、道徳を重んじない、完全に私利私欲を原動力とする経済発展は人類の生存環境を徹底的に破壊し、最終的には自らを壊滅させてしまう。例えそうならなくても、天は、道徳失墜の文明が長く続くのを容認するはずがない。

  人類は長い歳月のなか、無数回の壊滅的な災難に遭った。道徳の崩壊により文明が消滅された実例は歴史上幾度もあった。エジプトの海底で発見された高度な文明をもつ地中海の古城はまさに道徳崩壊の地だった。巨大な彫刻から当時の人々の贅沢極まりない、酒と金に溺れる生活実態が垣間見える。一部の彫刻が描いた状況に見識の広い考古学者らは驚いた。しかし、突如やってきた巨大地震により、この堕落した繁栄の町が海底に沈められた。

同様の災難はイタリアのナポリから東南23キロ離れた古代都市ポンペイでも起きた。1900年あまり前に世界でもっとも美しく栄えていたこの地で、人々は酒色に溺れて、乱倫や男女関係の乱れは極まり、道徳は失墜した。79年8月、ポンペイはヴェスヴィオ火山噴火の火砕流によって地中に丸ごと埋もれた。

戦争や天災によって壊滅させられた文明は数えきれないほどある。

歴史は今日まで歩み、人類の道徳低下により現れた様々の乱れた現象は、過去のいかなる王朝・末世よりも甚だしい。人類は再び文明が破壊される危険な境地に立っている。

 

世界には「真・善・忍」が必要

1992年、当時中国長春市在住の李洪志氏は「真・善・忍」という宇宙の特性に基づく修煉法「法輪大法」(法輪功)を世に伝えだした。常に「真・善・忍」で自己を律するよう教えていることから、7年間で愛好者が1億人近くに達した。1998年、中国政府の中央機関・全人代(全国人民代表大会)の調査報告書は、法輪功はいかなる社会・団体・個人にとっても「百利あって一害なし」と評価した。

中国人は古代から道徳や心身の向上を重んじる修行を好んだ。法輪功は中国伝統文化の精髄を融合しているため、当初から愛好者が急激に増えた。

2000年ノーベル平和賞の候補者だった李洪志氏。推薦者は理由についてこう書き記した。「法輪大法の創始者である李洪志氏は人類の和平を促進している。愛好者は中国共産党政権に迫害されるなか、非凡な平和的姿勢を貫いている。李氏と愛好者は中国の言論・信仰の自由を堅く守る象徴になっている」

1999年7月から、当時の江沢民指導部が法輪功に対する弾圧を始めてからすでに16年以上が経った。数千万人の愛好者は迫害の対象となり、大勢が労働教養所や刑務所に強制収容され、拷問で亡くなり、場合によっては臓器が移植用に摘出された。しかしこのような状況に置かれながら、この十数年の間、全世界の愛好者は暴力事件を一例も起こしていない。これは人類の歴史上において、かつてない平和を貫く実例である。彼らの穏やかな姿勢は、内心の強固な道徳原則に由来するもので、すなわち「真・善・忍」の威力である。これは全世界の人々にとって貴重な精神的財産である。

道徳が混乱しているいまの社会は、暴力、憎しみ、殺戮に満ち、戦争が続いているこの世界において、公園や街角で悠揚な音楽にともなって緩やかな法輪功の動作を煉る愛好者を目の当たりにすると、多くの人々は心底から「世界には真・善・忍が必要だ」と気づいた。

中国の江沢民グループによる法輪功への迫害は、人類の道徳的価値観及び文明に対する最大の迫害である。もし、人類の道徳が徹底的に崩壊すれば、人類の文明はもう存続できない。

中国共産党はテロリストの裏支持者

パリの同時多発テロが起きた後、中国の武器輸出会社の元シニアエンジニアという男性がメディアに寄せた匿名の情報では、今回のテロ襲撃で使われた自動小銃AK-47は中国製のもので、アフリカのソマリア、中東、IS(イスラミックステート)などの過激派組織が使う武器の多くは中国からのものだという。

消息筋の話では、中国政府が大量の旧式兵器を淘汰し、一番多いのはAK-47と手りゅう弾。兵器を大量に過剰生産しているため、古くなった榴弾砲(大砲)を国外に売りさばいている。いま、アフリカ、中東、ISが使用している車でけん引する榴弾砲はすべて中国製だという。

これまでの国際社会の複数の報告書は、中国政府は長年中東のイランやサウジアラビアに兵器を供与していると記録している。ロンドンを拠点に小型武器の調査を行っている民間組織、紛争兵器研究所(Conflict Armament Research)の昨年の発表では、シリアとイラクの戦場から入手した銃弾を調べた結果、1980年代物の61%、2010年後物の28%は中国製である。

いま世界中のテロ組織の大半は中国政府と切っても切れない関係にある。

  中国共産党は国家テロリズムを実施

共産主義はテロリズムよりも邪悪で、世界最大のテロリズムと言える。共産党専制政権の国は例外なく国家テロリズムを実施、中国共産党はとりわけその筆頭に数えられる。

20世紀の共産主義運動は旧ソ連から始まり、全世界に広まった。共産主義の暴力革命は戦争、飢餓、殺戮をもたらし、億単位の人の命を奪った。無神論及びダーウィンの進化論に基づく共産主義のイデオロギーは、欧米が信仰するキリスト教や普遍的価値観とは相容れないものである。近代において共産主義運動は、世界の平和と人類の安全に対する最大な脅威となっている。

第二次世界大戦後、世界は冷戦時代に突入した。米国を盟主とする資本主義・自由主義陣営は40年あまり努力することで、ソ連を盟主とする共産主義陣営の崩壊を促し、新たな世界構図を形成した。冷戦終了後に世界最大の社会主義国家となった中国は、経済発展の成果で軍事力を急速に拡張させ、世界の平和に対する最大の脅威となっている。中国国内では、共産党が支配する国営メディアは「米国などの欧米諸国は中国を最重要な経済・政治・イデオロギーの敵とみなしている」などと宣伝しているが、実際、基本的価値観などにより欧米諸国が経済が繁栄する民主主義の中国を敵とするはずがない。

反対に、自由で民主主義の中国は世界の安定と平和にとってもっとも有益である。欧米諸国が敵とみなしているのは、世界と人類を脅かす共産党専制政権である。20世紀の共産主義運動の歴史はこのことを実証した。核兵器を保有する共産党政権の対応は何よりの証である。05年7月、中国軍の高官が香港でメディアに対し、台湾問題において米中間で軍事的衝突が起きた場合、「核兵器を使用する以外に選択肢がない」と明言、核戦争が起これば中国は西安より東側の都市はすべて廃墟となり、米国全土の都市も壊滅すると発言した。

中国国内において、共産党は国家テロリズムで社会と国民を支配し、結党当初から今日に至るまで、さまざまな政治運動を起こしては国民への迫害と殺戮を繰り返してきた。とりわけ、99年当時の江沢民体制が法輪功(伝統気功)への弾圧を発動してからは限界に達した。国家の資源を駆使して愛好者に対する集団殺害を実施、ひいては大規模な臓器収奪を行っている。

沈黙してはならない

パリで起こった人々への流血テロは、邪悪を撃退することに対する緊迫感を喚起し、人々の勇気を触発した。あらゆる邪悪にはそれを生存させる環境がかならずある。中国共産党は世界のテロ組織の最大の後ろ盾で、その理念はテロリストの邪悪な価値観と合致し重要な支えとなり、存続する環境を提供している。このことをしっかりと見極めなければ、反テロは最終的に勝利を得られない。

対テロ戦争の本質は道徳的価値観をめぐる戦争で、善と悪の戦いである。人々がテロリストを強く非難しておきながら、中国共産党の暴挙に沈黙を保つ姿勢は正しくないし、むろん、問題を解決できない。中国の古くから伝わったある名言が道理を説いている。「豺狼当道、安問狐狸(ヤマイヌや狼が道を塞いでいるのを見て見ぬふりをして、弱い狐やイタチばかりを駆除するのはなぜ」

中国共産党の暴挙、1億人余の無実な法輪功愛好者に対する残酷なな迫害、「真・善・忍」という道徳的価値観の否定、世界文明にもたらす被害、世界平和に対する脅威は、テロリストに比べられないほど大きい。しかも、自国民への迫害・殺戮は停止したことはなく、法輪功愛好者に対する臓器収奪は依然として闇で続いている。これは、世界各国の政府と指導者にとって避けて通れない問題だ。中国共産党から利益を受けながら迫害に沈黙するのは恥辱である。

世界の多くの政府および国民がテロリストの暴挙を非難、制止し、多くの国が連携して反テロ活動を展開するなかで、中国共産党の暴挙に目をつぶってはならない。

中国共産党の恐怖の暴挙を制止するのは、すべての国、政府、個人の責任である。法輪功への迫害、「真・善・忍」という普遍的価値観への弾圧を制止するのは、全人類の責任である。なぜならば、世界には「真・善・忍」が必要不可欠だからだ。中国共産党の暴挙に「ノー」を突き付けることは、世界規模のテロリズムに対するもっとも有力な抑制であり、人類の文明に対するもっとも有力な保護である。

(翻訳・叶子)

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