改作の『西遊記』

孫悟空は妖怪に恋しない

2016/01/17 07:00

 申年の今年、1986年版連続ドラマ『西遊記』で孫悟空を演じた六小齢童さんが、中国メディアから取材を受けた。六小齢童さんは、中国で『西遊記』が幾度も改編され、恋愛小説へと変わってしまい、中国伝統文化を尊重していないと指摘した。このような行為は、『西遊記』の原作を大事にしてきた先祖に申し訳ないことであり、非常に心が痛むことだと語った。

 伝統文化を重んじるよう呼びかける

 中国四大神書(『三国志演義』、『水滸伝』、『西遊記』、『金瓶梅』)の一つでもある『西遊記』は、16世紀の明の時代に誕生した小説。唐代初期を舞台とし、唐僧・三蔵法師が白馬・玉龍に乗って三神仙、孫悟空、猪八戒、沙悟浄を供に従え、幾多の苦難を乗り越え経典を求めて天竺を目指す物語だ。

 六小齢童さんは現代の『西遊記』について次のように語った。「この数十年来、中国では『西遊記』の原作が何度も改作され、映画化されてきました。その結果、今では恋愛小説になってしまい、孫悟空と三蔵法師は、妖怪と恋愛をしています。これは古来から伝わってきた中国伝統文化に対する不敬だと思います。このようなでたらめな作品が多ければ多くなるほど、害はますます大きくなります。私達は子どもたちに与える悪い影響を考えなければなりません。将来、私は子どもたちから孫悟空は一体何人の妖怪の恋人がいるの?という質問を聞きたくありません」と語った。

 六小齢童さんは、『西遊記』が改編されたことで興行収入があがったことに批判的な様子だった。「視聴率と興行収入だけでは作品を評価できません。興行収入が多いからといって、一流の作品とは言えません。多くの事を考え直すべきです。私たちは伝統文化を尊重しなければなりません」

 六小齢童さんは最後に次のように語った。「確かに現代の若者はストレスがとても大きいでしょう。ふざけたものを見ることで、ある程度リラックスすることができるかもしれません。しかし、彼らの感じる『楽しみ』は先祖の苦痛の上に成り立ってはいけないのです」

 各界の人々が賛同

 『西遊記』をでたらめに改作されてきたことに対して、六小齢童さんが厳しく非難したことに、多くの人が賛同の意見を寄せた。インターネットでは、ハンドルネーム「@楠竹梦縁」さんが、次のように新しい『西遊記』を非難した。「本来の物語とは違うものになっています。もし本当に新しい物語を作りたいのであれば、『西遊記』の名前を使ってほしくない、『西遊記』とは関わってほしくない、すべてのサルが『悟空』ではないのです」

 台湾の詩人・謝潤良さんは「以前の私たちは、伝統文化、経典的な作品に対して批判し続け、否定してきました。その結果今の私たちは、伝統文化が伝えたいものをいたずらに改編しています。これは、伝統文化を踏みにじっているのではないでしょうか。『西遊記』を恋愛小説に改編するなんて、誤解を生んでしまうのではないでしょうか?」

 台湾の心理教育学の博士・陳彦玲さんは次のように語った。「実は、『西遊記』の神髄とは、『修煉』です。修行するものはできるだけ純粋な心を保たなければいけないのに、妖怪と恋をするなんてありえません。それは修行者を貶し、人間性を踏みにじっていることになります。このようなでたらめなものが出てきた主な原因は、人々が修煉ということを信じなくなり、善悪には報いがあるということを信じていないからではないでしょうか」

 また陳博士は「妖怪とこの現実社会の不正な手段には共通点があり、物と色香などで誘惑し、最終的に子どもたちを犯罪の道へ走らせることにもなります。中国にいる親や教師はくれぐれも注意してください。孫悟空と妖怪が恋愛をするという考えで次の世代を導いてはいけません」と話した。

(翻訳編集・林書羽)

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