過剰生産削減、失業や賃金未払い抗議事件が多発

2016/03/24 12:35

 中国政府が過剰生産能力の削減を目指す中、国内では失業や賃金の未払いなどに抗議する集団事件が多発しており、社会不安が広がっている。

 今年1月国内投資銀行大手の中国国際金融股份有限公司(中金公司)が発表した調査研究によると、中国の将来2~3年間において、過剰生産の最も深刻になるのは鋼鉄業、石炭業、セメント業、造船業などの業界で、それらの業界が30%の生産能力を減らせば、約300万人の従業員が失業になるとの見通しである。また、当局の高官も2月末に鋼鉄業と石炭業の過剰生産能力削減に伴い、約180万人の従業人がレイオフになると明言した。

 これを背景に今年に入ってから労働者による集団抗議事件が多発している。香港に本部を置き国内労働問題に詳しい「中国労工通訊」によると、1月と2月に各地で発生した労働者による集団抗議事件が約704件あった。1月だけでも500件以上となっている。また2014年の1379件と比べて、15年は倍以上の2772件であった。

 中国政府の両会(全人代と政協会)開催期間中の3月6日、黒竜江省の陸昊省長が国有石炭大手の黒竜江煤鉱業集団(竜煤集団)について「同会社とその傘下企業の従業員は約8万人いるが、賃金の未払いは1件もない」と発言した。それに対して、同社傘下双鴨山鉱業集団の約1万人の従業員とその家族が9日から約4日間の抗議活動を行った。しかし、地元の警察当局に武力鎮圧され、少なくとも75人が逮捕された。国内の報道によると、同社の鶴崗支社の従業員も昨年の賃金未払いで大規模な抗議活動を行った。

 一方、14日吉林省最大の鋼鉄企業、通化鋼鉄集団股份有限公司の約1000人の従業員も賃金未払いを抗議しストライキを行ったが、警察当局に鎮圧された。
ロイターは今月はじめ、中国政府による将来2~3年間の過剰生産能力削減および国有「ゾンビ」企業への構造改革で約500~600万人の労働者が職を失うと予測した。中国の李克強首相が、両会期間中に当局がレイオフや失業となった従業員の再就職などの支援策として約1000億元(約1兆7300億円)規模の基金を設置したと述べたが、しかし汚職や腐敗が横行する現在の政治体制では、その恩恵が実際に労働者まで届くかどうかは不明だ。


(翻訳編集・張哲)

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