女ひとりで世界一周放浪記 4

グアテマラ 格安スペイン語の超短期特訓

世界一周の3カ国目は、中米の国グアテマラです。3月10日から4月9日まで約1カ月滞在していました。私たち日本人にとってグアテマラは馴染みの薄い国かもしれませんが、近年、世界一周旅行者の中でこの国はとても注目されています。それはグアテマラに色濃く残るマヤ文化や色彩豊かな民族衣装、優しく穏やかなグアテマラ人の国民性に加えて、格安で「スペイン語留学」ができるからです。

これまでスペイン語圏を2カ月近く旅してきたのに、簡単な挨拶と1〜10までの数字くらいしか自信のなかった私のスペイン語。スペイン語が話せないと現地の人と意思疎通を図ることは難しく、語学力の重要性を痛感する日々でした。しばらくスペイン語圏の旅が続く予定でしたし、少しでも現地の人とスペイン語で会話ができるようになれればという思いで、グアテマラでスペイン語留学をすることを決めました。

留学する場所として私が選んだのは、グアテマラ第二の都市ケツァルテナンゴ(通称シェラ)です。シェラは標高2300メートルほどの場所に位置し、年中温暖な気候のグアテマラの中では寒暖差があるエリアです。物価は比較的安く、市場や大型ショッピングセンター、カフェ、またシェラ近郊には温泉に入れる村もあります。

住むには不自由しないようなシェラで、1週間の短期スペイン語留学を申し込みました。グアテマラ人のご家庭で1週間、ホームステイをさせてもらいます。私が留学を申し込んだ学校は、授業料とホームステイ料金を全て足して1100ケツァール(約15,500円、 2016年4月現在)でした。ホームステイ料金には朝食・昼食・夕食の3食も含まれています。1日平均2500円もかからないので、この金額でスペイン語学校に通え、ホームステイもできるとなると、格安と言えるのではないでしょうか。

スペイン語学校では、授業は1日4時間制が通常です。午前か午後かどちらかを選択できます。スペイン語の授業以外にも、オプションでサルサのレッスンやグアテマラの郷土料理教室なども受講できたりするようです。

スペイン語学校には月曜日〜金曜日までの5日間通いました。先生とステイ先に恵まれ、まさにスペイン語漬けの生活を送っていました。

授業風景 (教師歴16年のアルマ先生と筆者)

1日の流れはこのような感じです。朝6時半頃起床し、7時20分からホストマザーの作ってくれた朝食を食べます。歯を磨いてから、スペイン語学校へ歩いて行きます。授業は8時から12時までで、途中30分間の休憩を挟みます。長時間集中していると、かなり頭が疲れます。授業終了後はステイ先に戻り、13時から昼食。19時からの夕食まではフリータイムなのですが、私は毎日カフェに行き、4時間ほど授業の復習をしていました。シェラにはお洒落で比較的安価なカフェが沢山あります。日が暮れた頃ステイ先に戻り、19時から夕食。ステイ先にはWiFiがないので、インターネットを繋げることができません。日頃使っていない頭を常にフル回転して疲れてしまっているのですぐに眠くなり、21時には大抵就寝。そんな日々でした。

スペイン語授業の内容は、私の要望で「日常でよく使うフレーズ」に特化したものにしてもらいました。1週間という超短期留学なので、文法や動詞の活用などの細かい部分まで学ぶ時間はありません。先生とひたすら会話をして、その中から重要な単語やイディオム、よく使う言い回しや簡単な文法の勉強に派生していくやり方です。優しくて褒め上手な先生のおかげで、毎日スペイン語の授業が楽しくて仕方がありませんでした。

ホスト先でのお食事タイムは決して心休まる場ではなく、授業で習ったことの実践編となるので、毎食緊張していました。初日は全くホストファミリーの会話が分からず焦りましたが、1日1日少しずつ聞き取れる単語の数が増えていくのを実感することができました。例えば「料理をする」という意味のスペイン語を授業で習えば、早速その日の夕食で実際に使ってみて、会話を広げることができました。グアテマラの家庭料理では、豆を煮たフリホーレスが定番でよく食事に出ていました。昼食が多めで、夜は昼食と同じ程度の分量か、それより少ないくらいが通常のようでした。

グアテマラ定番料理 豆を煮たフリホーレス

あっという間に1週間が過ぎ去り、気付いたら最終日を迎えていました。お世話になった先生やホストファミリーには本当によくして頂き、感謝の気持ちとして日本から持ってきていた和柄の折り紙で折り鶴を作り、差し上げました。

お世話になったホストファミリー

さて、1週間のスペイン語留学でどのくらいの結果が出たのか。たった1週間でどれだけ変わるのかと思いましたが、想像以上の成果があったと感じています。1つ目には、簡単な自己紹介ができるようになりました。初対面の人に「私は世界一周をしています」と一言伝えられるようになっただけでも随分と違います。また、食事の感想が言えるようになったり、嬉しい気持ちや寂しい気持ちなどを少し表現できるようにもなりました。全く喋ることができなかった以前と比べると、雲泥の差であると思います。そして何より、それまで敬遠していたスペイン語に対して積極的に喋ろうという姿勢ができたことが1番の収穫です。きっと、今後の旅で留学経験が活きてくるでしょう。私の場合は超短期でしたが、他の方は2週間、1カ月、3カ月など長期で学校に通われている方も多数いらっしゃいました。

格安で学べるグアテマラでのスペイン語留学は、本当におすすめです。グアテマラは気候が良くて人も優しく、私にとっては思い入れのある大好きな国となりました。

色鮮やかなグアテマラ雑貨

 

(田中 美久)