火星観測の絶好機

11年ぶりに火星が地球に最接近 5月30日~6月4日絶好の観測時期

NASAハッブル宇宙望遠鏡が撮影した最新の火星写真を公開した。写真は非常に鮮明で、褐色の大地、極地のアイスキャップ、クレーター、そして白い雲までが認められる。

米NBCニュースの報道によると、この写真は5月12日に撮影されたものであり、その時火星は地球から約8000キロメートルまで近づき、その上地球を挟んで太陽の反対側に位置しているため、地球から見ると火星の表面全体はよく照らされて地表景観も普段より鮮明に観測されるようになっているという。

火星の衝」は平均780日ごとに起きるので、地球から明るく見える時期が26カ月ごとに巡ってくる。今回22日の「火星の衝」と30日の地球に最接近の時期が重なっているため、明るく大きくなっている火星を観測する絶好のチャンスと言える。

2016年5月30日は11年ぶりに火星が地球に最接近する。写真は今回の接近で地球から見える火星の大きさの予想図である (NASA)

5月30日は11年ぶりに火星が地球に最接近するため、この日が最もはっきりと火星を見ることができる。だが、実際には6月4日ごろまでは地球と火星の距離はほとんど変わらないため、この日を逃すと見られなくなるという訳ではない。今回の再接近で地球と火星との距離は7530万キロに縮まる。夜間と早朝には大きくはっきりと、かすかに赤い火星を観測することができる。

地球と火星が最接近する日は780日おきに訪れるが、接近の程度はその時によって異なる。それは地球の公転がほぼ円に近い軌道を取っているのに比べ、火星はかなりの楕円形を描くように公転しているため。そのため、小接近・中接近・大接近という言葉があり、今回の接近は中接近となる。

NASAによると、前回火星が地球に最接近したのは2003年8月だった。その距離は5575.8キロで、6万年に一度という大接近を記録した。次回の火星大接近は2018年7月31日で、接近距離は5763.8万キロだという。

(翻訳編集・桜井信一/単馨)