分析:なぜ中国企業の対外投資が急増したのか?

2016/06/30 17:00

 近年、中国企業による対外投資や海外企業買収が急拡大している。その背後にあるは、中国政府の「走出去」戦略(中国企業が積極的に海外進出する政策)ではなく、経済の急減速によるリスク回避を目的として資金を海外に移転することだ。6月26日付大紀元英語版が伝えた。

 同報道によると、昨年1年間の中国企業による対外投資規模が1231億ドル(約12兆6100億円)だったのに対し、今年初めから4月中旬までの約4カ月間で、その規模はすでに1100億ドル(約11兆2700億円)と急速に拡大している。これに対し、在米中国経済評論家の何清漣氏は「中国資本流出の主因は、企業側が中国経済の急減速により出た損失を少しでも減らそうという狙いがあるから」との認識を示した。

 中国企業の対外投資急増はリスク回避を目的としたもの

 過去に海外進出を積極的に行った企業の大多数は国有企業であり、中国政府は、企業が海外資源に強く依存する問題を解決するために、海外進出によって海外の天然資源を獲得しようとした。

 しかし近年、中国の民営企業が海外の開発プロジェクトや高収益の投資プロジェクトに興味を示し、それは、2011年には中国企業の41.2%に達した。民営企業の投資項目と投資先の国をみると、投資の目的は明らかにリスク回避だ。

 『中国海外投資市場報告』(China Foreign Investment Market Report)によると、15年の中国企業による海外不動産市場への投資総額は前年比41.5%増で、史上最高の約214億ドルに達した。中でも、マレーシアへの不動産開発投資額が最も多い。それに次いで、香港への投資額が2位、米国が3位、オーストラリアが4位となっている。

 今年4月米調査会社のロジウム・グループと米中関係全米委員会(NCUSCR)が共同で発表した調査によると、15年末現在、米国にある中国企業は1900社を超え、約9万人の従業員を雇用している。また中国企業の投資はおもに不動産、金融、IT、映画、エンターテイメントとエネルギーに集中している。

 一方、米国移民局の統計によると、15年7~9月期までの「EB-5投資永住権プログラム」の申請承認件数は6498件に達し、大多数は中国人投資家だという。

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