意外と知られていない? 七夕の本当の話

今日は「七夕(たなばた)」。七夕の夜は願い事を書いた短冊や飾りを笹の葉につるしますよね。みなさんはどんな願い事を書きましたか?七夕は織姫彦星が、天の川にかけられたカササギ橋で再会する日とも言われてます。この言い伝えは、古代中国から伝わったと言われます。この永遠に伝えられる愛の物語は、中国のバレンタインデーでもあり、中国の伝統的な行事の中で、最もロマンチックで美しい祝日の日でもあります。中国では恋人同士がこの日に互いに縁を結ぶ印となる品物を贈れば、二人が永遠の愛を結ぶとされています。

伝説では、天帝に7人の娘がいて、末娘の織姫は最も賢くてかわいく、手先がとても器用でした。天帝は真面目な彦星に、牛の管理を任せました。2人は一目見ただけでお互いを気に入り結婚しましたが、仕事のことを忘れたかのように、お互いのことに夢中になってしまいました。天帝は怒って、織姫と彦星に「自らの言動を慎み、週に一度会えば良い」と伝えるよう、カササギを使者として送りました。カササギは「毎日会っても良い」と天帝の話を間違って伝えてしまい、2人はこの上なく喜びを感じ、更に仕事をおろそかしてしまいました

天帝は大いに怒り、毎年旧暦の7月7日の夜だけに会うよう勅諭を下しました。その後、織姫は天母によって天宮に連れ戻されてしまい、2人の美しい婚姻が散ってしまいました。彦星は天宮まで追いかけましたが、天母の設けた天の川によって織姫と会うことができなくなりました。その様子を見たカササギは、織姫と彦星の愛に感動し、千万羽のカササギが飛んで来て、カササギの橋を組み立て、織姫と彦星に再会の機会を与えました。王母も成す術がなく、2人が毎年7月7日に再会することを許すほかありませんでした。七夕の当日はよく霧雨が降りますが、それは2人が久しぶりに再会して流した涙だと言われています。

中国古代から伝わる「七夕」の習わし

 

七夕の最も普遍的な習わしは「乞巧」というイベントです。女性達は7月7日の夜に香炉を設けて、フルーツや女性の化粧用パウダーを備え、未婚の少女は意に沿う青年と結婚できるよう、織姫と彦星の加護を切に願い、若い奥さんは早く息子を生めるよう切に願い、中年女性は家庭の平穏を切に願います。

山東省済南市、恵民市、高青市では、「乞巧」のイベントはとてもシンプルです。フルーツなどを並べて、アシダカグモがフルーツの上で蜘蛛の糸を結んでくれれば、縁起が良いとされています。

鄄(ジュアン)城、曹県、平原などの「乞巧」の一風変わっています。7人の仲が良い女の子は食糧を集めてきて、一緒に水餃子を作り、その際、1枚の銅銭、1本の針と1つの赤いナツメをそれぞれ3つの水餃子の中に包みます。その後、彼女たちは一緒に水餃子を食べますが、銅銭の入った餃子を食べた人は金持ちになり、針を食べた人は手先が器用になり、ナツメを食べた人は早婚になると言われています。

浙江省の杭州市や寧波市、温州市などにも似たような「乞巧」の習わしがあります。小麦粉を使って小さなラグビーボールのような形にし、金色になるまで油で揚げます。それを「巧果(または乞巧果子)」と呼ばれるお菓子です。夜、庭で巧果、ハス、白いレンコン、赤いヒシを並べます。女の子は月に向かって針に糸を通して、器用になりますようにと願います。紹興市の農村では、少女が夜にこっそりと盛んに成長しているカボチャの棚の中に隠れて、夜が静まり返ったときに織姫と彦星の内緒話を聞けば、千年も変わらない愛を得ることができるとされています。

浙江省の金華地方では、七夕になると、どの家庭も1羽のニワトリを殺します。それが織姫と彦星が幸せで円満な日々を送ることができるという願いを込める行動だそうです。7月7日の夜に織姫と彦星は再会しますが、翌朝、雄鳥が夜明けを知らせなければ、彼らは永遠に一緒になれるからです。

広西省の西部では、言い伝えによると、7月7日の朝に仙女は下界に下りて入浴します。その入浴の水「双七水」を飲めば魔をよけて病気を治し、寿命を延ばすことができるとされています。七夕の朝、ニワトリが鳴く時、人々は競って河辺に水を取りに行き、持ち帰ったお水を新しい容器に入れます。

古代から現在まで、七夕はロマンチックで伝統的な日です。今日の夜、織姫と彦星は再会できるでしょうか?夏のバレンタインデーとして、好きな人や恋人、奥さんや旦那さんに、一年に一度の深い愛を伝えてみるととてもロマンチックな気分になるのではないでしょうか。

(張ミョウ)