法輪功問題の動向

宗教問題に習主席再度発言 弾圧政策の見直しを示唆

2016/08/03 14:45

 1999年7月20日、江沢民政権の中国当局は法輪功への弾圧を開始した。それから17年経過後の今年7月19日、習近平国家主席は寧夏治自区銀川市の寺院で、宗教問題に対する見解を再度表明した。また時を同じくして、法輪功発祥の地である吉林省長春市で共産党中央政法委の会議が開かれ、冤罪や誤審判決の見直しが検討された。このことから、習近平政権の中国当局が宗教に対する弾圧政策を転換するのではとの憶測を呼んでいる。

 習主席「中国の宗教は5000年の歴史で育まれたもの」

 19日午前、習国家主席は寧夏自治区の銀川市で宗教活動の視察を行い、現地の宗教界代表者との会見で、中国のいずれの民族も宗教も5000年の歴史によって育まれたものであり、大地に根を下ろさなければ存続することはできないとして、宗教に肯定的な見解を述べた。

 今年の4月25日は、法輪功学習者が中南海で平和陳情を行った「4.25事件」の17周年となる。政権にとって政治敏感日となる4月25日前に、習主席は国内最高水準の宗教事務会議を開き、江沢民が行った宗教弾圧政策を是正する動きをみせ、国内外に注目された。今回も習主席が同様な敏感日となる7月20日の前日を選んで再度宗教問題に触れたことについて、注目が集まっている。

 人民日報、長編記事で習主席の宗教政策を解読

 今回の発言に先立って人民日報は7月10日、3篇の長編記事で習主席の宗教政策について、次のように要点をまとめ解説した。

 ・信仰の違いを政治的な対立へと拡張しないこと。宗教の信仰に対し、政治的圧力や暴力的手段を用いて弾圧すべきではないこと。

 ・国民の自主的な選択を尊重し、宗教と信仰の自由を保障する政策を確定し確実に実行すること。

 ・中国化された宗教の根底には、伝統文化の「仁恕中道(儒教仏教道教)」精神と、文化の「多元通和(多様性の融和共存)」が流れている。

 時事評論家の李林一氏は、習政権が「宗教の信仰に対し、政治的圧力や暴力的手段を用いて弾圧すべきではない」と明言したことについて、これは江沢民の法輪功弾圧政策を公の場で否定することを意味しており、注目に値するできごとだと表明している。

 封じ込めてきた「タブー党史」の研究が解禁に

 人民日報が上記報道を行う直前の7月6日、中央党史研究室副主任の張樹軍氏は記者会見で、「タブー党史」の研究を推進すると発表した。今回の同氏の発言は非常に注目されている。

 これまでの中国では、文化大革命や天安門事件など、中国共産党の歴史上、非難を呼んだ事件に触れることはタブーとされてきた。こうした事件の情報を徹底的に封じ込めてきたため、専門家でもこのテーマに触れることはほとんどなく、一般社会においてこうした「タブー党史」が話題になることはさらに少ない。

 こうしたいきさつを踏まえると、「タブー党史」の研究が解禁されたことで、現政権の上層部に、大変革を起こす用意があるのではないかとの憶測が流れている。

 「敏感日」の前後に起きた一連のできごと

 以下のような政治的出来事は、法輪功関連の「敏感日」の前後に起きている。これらを偶然の一致として片づけることはできるだろうか。

 6月11日:法輪功弾圧のための専門機関、中央610弁公室の設立日・・・2015年6月12日に、610幹部、周永康に無期懲役の判決が下された。

 7月20日:法輪功弾圧政策の開始日・・・2015年同日に、海外で法輪功迫害政策を積極的に推進していた令計劃が公職を解かれ、党から除名された。

 5月13日:世界法輪大法デー・・・2016年同日、令計劃の起訴日。

関連記事
注目記事
^