WTO加盟15周年の中国を 日米欧「市場経済国」と認めず

2016/12/15 06:00

 中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して12月11日で15周年を迎えた。しかしこのほど、欧州連合(EU)と米国に次ぎ、日本経済産業省が中国をWTOが定義する「市場経済国」と認めないと表明した。米国専門家は中国当局の政策が国有企業に有利で、外国企業を排斥する現状が改善しておらず、当局は「WTO加盟に際しの約束を果たしていない」「根本的な改革が行われていない」と指摘した。

 中国が2001年WTOに加盟した際、議定書の付属約款『反ダンピング案件における非市場経済国規定』に署名し、15年間の非市場経済国として扱われることを受け入れた。これにより、中国製品に対して反ダンピング調査を行う際、中国製品の国内価格ではなく第3国製品の価格を基準に計算を行うと定められた。この条約が12月11日に期限を迎えた。

 しかし、過剰生産能力問題が深刻化している中国鋼鉄業界などの製品を安価かつ大規模に欧米市場へ輸出することに強く懸念を示し、また中国当局が行政手段や政府介入を放棄し、市場メカニズムに基づく改革開放を行うことが不十分だとして、中国を「市場経済国」と認めないと、EU議会は今年5月に、米政府が11月末に決定した。

 元米通商代表のチャーレン・バーシェフスキー(Charlene Barshefsky)氏は12日、シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)がワシントンで開催した講演会において、「中国は加盟時にした約束を履行していない」「経済活動において市場が決定的役割を果たしていくとの改革は行われていない」との認識を示した。

 バーシェフスキー氏は中国がWTOに加盟する前、当時の朱鎔基首相と交渉を行った米政府側のキーパーソンだった。

 またバーシェフスキー氏は「当局は米国企業、特に情報や通信産業企業に排斥政策を採ってきた」「外資企業に友好的でない対応は、中国企業が今もハイテク技術に欠けているなど、中国経済にも悪影響を与えている」と示した。

 米次期大統領のドナルド・トランプ氏が就任後、米中貿易戦争勃発の可能性について、CSISのスコット・ケネディ(Scott Kennedy)氏は「将来数カ月、米中貿易関係は緊迫するが、WTO紛争解決制度や米中の二国間交渉または米中と他の国との多国間交渉で問題を解決できる」「根本的な変化は、中国政府(の政策と改革)次第だ」と示した。

 米議会の「米中経済安全保障調査委員会」(USCC)が11月に発表した「2016年度調査報告書」において、「中国は市場経済ではない。近い将来においても市場経済に発展していく兆候が見られない」と結論を付けた。

 同委員会委員のジム・タレント(Jim Talent)氏は大紀元の取材に対して「中国当局が統合された国有企業に依然として莫大な融資を行っている。中国では民営の銀行や金融機関の開業を認めず、本格的な金融改革も行われていない」「この現状を見ると、中国には今後も根本的な改革がないだろうと考えた」とした。

 一方、中国商務部は12日、米欧が中国を「市場経済国」を認めなかったことに対して不当だとして、米国とEUをWTOに提訴した。

(記者・林帆、翻訳編集・張哲)

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