中国 抑圧される人権弁護士

危機一髪 中国人権派弁護士の家族の国外脱出 「トランプ大統領が救出を指示」

2017年06月05日 20時00分

 中国で2年前に人権派弁護士らが一斉に逮捕された「709事件」[注]。この事件で逮捕された弁護士の妻の一人、陳桂秋さんが海外脱出に失敗した時の事をAP通信の取材で語った。それによると陳さんは脱出先のタイで中国に強制送還されそうになったが米国大使館に保護された。そしてその保護を指示したのはトランプ大統領だったという。

 AP通信によると、「国家政権転覆罪」で逮捕された人権派弁護士、謝陽氏の家族に出国禁止令が出ている中、妻の陳桂秋さんは今年に入ってから15歳と4歳の娘をつれて海外に逃亡を試みた。一行は数週間かけて何カ国かの国境を超え、タイに密入国した。「夜は野宿、一日の食事がチョコレート一枚だけということはザラだった」と道中の辛い体験を明かした陳さん。知人宅に身を潜めていた3人だが、1週間後にタイ当局に逮捕され、その行方を突き止めた中国公安警察に身柄を引き渡すと告げられた。

 そこで一行の国外脱出を支援していた米人権団体が駐タイ米大使館に助けを求め、米大使館関係者がタイ当局と交渉し、3人を拘置所の裏門から連れ出したが、表門で身柄を待つ中国公安警察に察知された。公安警察は陳さんたちを捕まえようと激しく追跡してきた。まるでハリウッド映画のようだったという追跡劇のあと、結局、双米大使館関係者側と中国側双方がバンコク空港で数時間対峙した後、中国側が引き下がり、3人はそのまま米国に出国した。

 陳光誠氏など中国有名な人権活動家らのアメリカ行きを水面下で支援した、先の米キリスト教系人権団体「対華援助協会」の傅希秋会長はこのほど、米国営のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材で、ホワイトハウス上層部からの匿名情報として、トランプ米大統領が今回の救出を指示したと明かしながら、詳細を伏せた。

 陳さんは今後、夫を含む人権派弁護士への拷問の実態、中国湘南大学の教授である自身と娘たちへの強制解雇・強制退学の圧力、親族への連座制などの全容を明らかにしていくと語った。

 

(翻訳編集・叶清)


編集者注

 709事件は、2015年7月ごろ、中国各地で人権弁護士や人権活動家など約320人がたて続けて勾留・逮捕された事件。今年5月31日時点で、9人が懲役1年半~7年半の一審判決を受け、4人が拘留中、15人が保釈中、釈放されたそのほかのうち、一部は監視や出国禁止の処分を受けている。

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