中国不動産はギャンブル

住友商事、中国で事業拡大図るも、不動産バブルのリスク

2017年06月21日 01時38分

 住友商事株式会社は19日、傘下中国現地法人を通じて、不動産ディベロッパー大手の朗詩集団股份有限公司(以下、朗詩集団)との間で、不動産事業に関する「戦略協力意向書」を締結したと発表した。住友は「中国当局の住宅政策や市場動向を見極めながら、中国国内での事業拡大を図っていく」としている。しかしながら、中国の経済成長は昨年の初めから鈍化し、不動産市場はバブルのリスクに直面していると報じられている。

 世界で2番目に高い高層マンション「上海タワー」のゴーストタウンを思わせる空室率の高さを報じた香港経済日報によると、中国の経済成長は昨年の初めから減速し、商業施設の空室率は、持続的に低下する可能性も高まると報じている。

 中国国内メディアによると、中国企業の債務は国内総生産(GDP)比で約130%に達し、また、家計債務のGDP比はすでに50%まで上昇し、金融システムの脆弱性がより顕著であり、資産の質を悪化させている。

 中国当局は、高い経済成長のけん引力として投資に強く依存している。GDPに占める総固定資本形成(不動産や社会インフラ建設などの設備投資)の割合は約5割。その中のほとんどは不動産だ。

 2016年の中国の実質GDP成長率は6.7%で1990年以来、26年ぶりの低水準となった。中国政府は2017年の経済成長率目標を「6.5%前後」に設定した。中国経済は減速が続いていると判断されている。

 このたび、住友と不動産事業に関する戦略協力意向書を締結した、南京市に本社を置く朗詩集団は、上海市や広州市、南京市などの大都市を中心に80件以上の不動産開発実績を持ち、環境・健康配慮型住宅の開発に力を入れているとする不動産ディベロッパー大手。

 住友商事によると、同プロジェクトは杭州市中心部から北東へ約20キロ離れた「余杭経済技術開発区」内に位置し、建物面積が約1万1千坪で、総戸数約800戸のマンションで、2019年4月に完成する予定という。同開発区には、バイオ医薬品業や通信電子業、アパレル業の企業などが集中している。

賭博場となっている中国不動産

 中国では不動産バブルに陥っていることが伝えられている。中国当局は不動産価格の上昇に抑制措置を実施しても、価格が上昇するという現象が続いている。英紙「フィナンシャルタイムズ」中国語電子版(23日付)コラムニストの朱寧氏は、今の不動産市場は「当局と投資家が互いに博打する場」という。

 朱氏によると、不動産価格の上昇を予想する投資家らは、当局の抑制措置で価格上昇が一時的に止まった、または小幅に下落した時は、むしろ比較的に低い価格で新たな住宅を買う機会だと考えているという。

 当局は不動産価格の大幅な下落を避けるため、近年、土地供給量を減らしている。不動産開発企業は、競って少ない土地を手に入れるために、各地方政府が主催する土地使用権の競売で、次々と莫大な金額で落札している。住宅供給量は今後も増える見込みはないため、不動産価格も依然として高い水準で推移すると、朱氏は考えている。

バブルはマネーサプライ急増が原因とも

関連特集

^