情報統制

中国当局の検閲、7月はますます厳しくなっている=中国人権専門家

2017年07月12日 13時09分

 中国人権専門家は最近、7月は、中国共産党の政権維持のために不安定要素とみなす「敏感な出来事」が多く、当局は新たに検閲を強化しているとの分析を示した。

 国際人権監視団体フリーダムハウスの東アジアのシニア調査分析家サラ・クック氏は、米ディプロマット誌の寄稿文で、中国当局は、検閲システムを携帯電話やソーシャルメディアサイト、個人情報収集など、あらゆる場面での検閲ネットワークを広げていると指摘した。

習近平主席「信仰自由」「法治を強化」
政策変化のシグナルか=宗教工作会議

 7月は、中国共産党政権にとって、「社会の安定」のために、民衆に知らせないよう情報規制している事件・事故・社会事情などの「敏感な出来事」が多い月だ。5日に2009年の新疆ウイグル自治区での暴動、6日にはダライ・ラマの誕生日、7月9日は2015年に100人以上の人権弁護士が強制連行された日であり、7月20日は、心身修養法として全国的に広がった法輪功を1999年の江沢民主席が弾圧を開始した日となる。

検閲回避できる「VPN」を遮断

 最近、中国国内ネットユーザが当局の敷く検閲網を回避するために利用する「仮想プライベートネットワーク(VPN)」に対する取り締まりが強化された。ブルームバーグによると、7月1日以降、複数の人気VPNアプリは、オンラインストアから削除されたり、ダウンロードできなくなったりした。

 また同メディアは10日、情報筋の話として、中国政府は国営通信事業社に対して、自社ネットワークで利用者がVPNアプリを使用できなくするよう要請したと報じた。この制限は来年2月まで継続するという。

 中国国内のネット人口7億人のほとんどは、国営企業のネットワークサービスを利用している。また、多くの国内企業がVPNを使用して海外のニュースを閲覧したり、Facebook、TwitterなどのSNSを利用している。クック氏によると、VPNは「企業や人権活動家などを当局の監視から守るセキュリティの役割」を担っていたという。

少数民族や宗教者へ プライバシーを侵害して検閲

フリーダムハウス報告
「臓器の強制摘出は今も続いている」

 少数民族や宗教問題にも、当局は検閲に注力している。新疆ウイグル自治区ウルムチ市の一地域当局は、住民と企業に対し、身分証、携帯電話、USBメモリ、ポータブルハードディスク、ノートパソコンおよびメモリーカードなどを地元公安に届け出て「登録と検査」を受けるよう要求した。

 7月、地元住民は米政府系メディアRFAに対して、「テロリストの一掃を名目としているが、300万人の市民のプライバシーを侵害している」と当局への不信感をあらわにした。新唐人テレビの取材に答えた中央民族大学哲学宗教学の趙士林教授は「弾圧は現代社会の文明の原則に適合していない。他の文化、経済、政治権利を尊重して、はじめて民族団結が生まれる」と非難した。

 中国全土と同様に、チベットでも、メッセージアプリ「WeChat(微信)」の利用率が高まっている。しかし「これを使って精神的指導者ダライ・ラマ14世について触れるのは困難で危険」とクック氏は指摘する。少なくとも 2人のチベット族は2015年、ダライ・ラマ氏の80歳の誕生日を祝うチャットグループに参加したために、警察に拘留された。2017年5月に焼身自殺したチベット僧は以前、「微信」でダライ・ラマ氏の画像を友人に送ったために拘留されたことがあったという。RFAによると、2009年から現在まで、焼身自殺事件を図ったチベット族は149人に上る。

監視カメラ、顔認証、位置情報把握…厳しい監視システム

関連特集

^