陳破空コラム

北朝鮮問題の背後にある米中ロの大国ゲーム

2017年09月09日 08時00分

 9月3日から3日間にわたり、中国・アモイで開催された新興5カ国(BRICs)首脳会談。北朝鮮はその開幕日、6回目の核実験を行った。米国在住の政治評論家・陳破空氏は大紀元の取材に対し、北朝鮮の動きの背後にある3つの大国の駆け引きについて語った。 

 国際社会が北朝鮮を強く非難しているのに対し、核実験の影響を最も強く受けるはずの中国ではこうした世論が沸き起こっていない。中国外交部が発した非難声明に関する報道が、中国国内ですべて削除され、ネット上も核実験に関する情報封鎖を行ったもよう。

 陳破空氏によると、BRICs首脳会談は習近平国家主席にとって重要な外交政策の一つであり、当局も非常に重視している。(国境紛争で関係が悪化した)インドのモディ首相を参加させて、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの首脳が一堂に会する場を作るために、中国はかなりの譲歩と妥協を行った。だが北朝鮮は習主席が開幕あいさつを準備している時に核実験を行った。これで中国当局の面目は丸つぶれだ。また核実験によって人工地震が引き起こされ、遼寧省や吉林省の住民もその影響を受けた。中国人は激怒している。 

 こうした状況を重く見た中国当局は、BRICs首脳会談を成功裏に閉幕させ、民衆の怒りを抑えるために、核実験関連の情報に対しネット封鎖を行った。すでに報じられた外交部の非難声明に関するニュースは全て削除され、北朝鮮による人工地震の情報も遮断された。中国語で水爆を意味する『氢弹』という言葉は、ネット上で検索不能のワードとなっている。

 陳氏は、北朝鮮の核危機をもたらした張本人は中国当局だと認識している。「北朝鮮は絶えず国際社会を挑発しているが、こうなったのは主に、中国が長期にわたって北朝鮮政権を保護し、支持してきたからだ。北朝鮮に弾道ミサイルや核開発技術を伝授したのも中国当局だ」。

 8月、米財務省は北朝鮮の核開発計画と弾道ミサイル計画を支援したとして、中国・丹東市の中国企業5社とロシア企業1社に対し経済制裁を科すことを発表した。だが、これら企業の背後にはそれぞれの政府、つまり中国当局とロシア当局が存在する。

 中国もロシアも、対米戦略における地政学上の緩衝地帯としての北朝鮮が必要となるため、金政権を支援してきている。これについて陳氏は「北朝鮮は、中国とロシアが交互に米国を挑発し対抗するためのカードとなっている」と強調する。

米、中、ロの駆け引きが北朝鮮に付け入る隙を与えている

4月、フロリダ州にあるドナルド・トランプ米大統領の別荘で米中首脳が会談(Getty Images)
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