緊迫の朝鮮半島

レッドラインを超えた北朝鮮の水爆実験、今後米中ロがどう動くのか

2017年09月11日 20時52分

 9月3日、北朝鮮が6回となる核実験を実施した。北朝鮮が核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備が、現実味を帯びてきた。軍事手段を辞さない構えを見せているアメリカ、制裁の強化に抵抗するロシア、アメリカに協力の姿勢を示しつつも、強力な制裁行為には足踏みする中国。米中ロと北朝鮮の動きに半島情勢が左右される。

19大前、神経をとがらせる中国

9月4日、中国の廈門市で開かれたBRICsサミットに出席した習近平・中国国家主席(FRED DUFOUR/AFP/Getty Images)

 国際社会が、北朝鮮問題の解決に中心的役割を果たすと期待されている中国。いっぽう、国内では、10月中旬の重要な党大会(19大)を控え、最高指導部の人事刷新をめぐって党内で権力闘争が繰り広げられている。

 北朝鮮問題に関して、中国共産党政権はこれまで「金政権の安定」の維持を最優先にしてきた。同じ共産主義国家として、中国はこれまで北朝鮮を重要な盟友と見なし、経済的に援助してきた。

 中国当局は従来、対北制裁に反対する姿勢を取ってきた。北朝鮮の挑発行為が度を越した時、中国は国連安保理の制裁決議に賛成する場合もあったが、実際、決議案の通りに制裁を行っているかどうかは不明瞭だ。

 習近平政権に変わってから、中国は北朝鮮と距離を置くようになった。その腹いせか、北朝鮮は、昨年9月の杭州で開催された20カ国・地域首脳会議(G20)や、今年5月の「一帯一路」経済圏構想国際会合、そして今月3日の新興5カ国(BRICs)首脳会議などのタイミングでミサイル・核実験を強行し、中国当局のメンツを踏み潰した。

 目下、中国当局にとって最大の関心事は10月中旬の党大会が滞りなく開催されることであり、外交や国家安全問題に問題が起こらないように神経を尖らせている。

 一部の専門家は、長い目で見ると中国当局は「北朝鮮を核保有国として黙認するか」、または「非核化のため、金正恩政権の崩壊を認めるか」との究極の選択を迫られているとみている。現時点では、金正恩政権の崩壊は、中国当局にとって最も避けたい事態だ。連鎖反応で中国の共産政権も道連れにされかねないからだ。

 在米中国問題専門家の楊光氏は大紀元に対して、「中国は顔に泥を塗られても、対北制裁に踏み切れないのが現状だ」とした。楊氏は以前の論文で、「金政権が崩壊しないかぎり、北朝鮮問題の解決はない。これはどの政府も分かっていることだが、誰もあえて口にしようとしない」と述べた。

 大紀元コメンテーターの夏小強氏は、「習近平氏が共産政権の崩壊を危惧していることは金正恩氏に見透かされている。習近平氏が党の存命を優先すれば、北朝鮮政権の崩壊はない」との見方を示した。

アメリカ、軍事行動も選択肢 中国に圧力

9月7日、ホワイトハウスで会見するドナルド・トランプ大統領(BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/Getty Images)
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