緊迫の朝鮮半島

韓国THAAD追加配備、北朝鮮へ更なる圧力強化

2017年09月09日 01時18分

 韓国国防部は7日、高高度防衛ミサイル(THAAD)の発射台4基と関連機器を、在韓米軍基地に搬入完了したと発表した。これにより一つの砲台機器が完備され、実質的にTHAADの韓国配置が完了し、在韓米軍による作戦運用が可能となる。追加配備に中国外務省と国営メディアは強く反発、中韓関係の悪化と韓国に向けたより強力な経済報復措置が予想される。

デモ参加者らと警察が衝突 韓国大統領、声明を発表

 7日午前、THAAD機器を載せた米軍車両10台が基地に進入する途中、反対デモ参加者らと警察が衝突、警察や住民など約20人の負傷者が出た。文在寅・韓国大統領は8日夜、メッセージを発表し、「(THAAD完備は)いまの状況で、政府が取りえる最善の措置」とし、国民に理解を求めた。また、議論されてきたTHAADの環境による影響については「公開的かつ科学的な追加検証を要求する場合にはいつでも応じる」と述べた。

中国メディア、完備への非難一色

 中国の主要メディアらはTHAAD配置に関するニュースを一日中トップに取り上げ、韓国政府を「口撃」した。中国中央テレビ(CCTV)は、搬入過程を生中継、配置が正式に完了したことを伝え、住民と警察の衝突状況を強調して報じた。

 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は社説を通じて、THAAD追加配備を決めた韓国側を口汚く罵った。「THAADが北朝鮮の核のように、地域の安定を損なう悪性腫瘍だ」「韓国は北朝鮮の人質だけでなく、米国の盾になる」「キムチを食べて頭がおかしくなったのか?」など、露骨な批判を展開した。

 このような反応は北朝鮮の6回目の核実験の報道とは対照的だ。当時、中国メディアらは北朝鮮の核実験について批判する報道や論説を一切報じなかった。

 更なる経済報復の可能性を示唆する報道もあった。環球時報・英字版グローバル・タイムズ紙は6日、中国北京自動車と韓国現代自動車の合弁企業「北京現代自動車」に言及。中国国内で現代車の輸出が減少したため、中韓合資を解消する可能性について触れた。自動車業界では、「THAAD追加配置をきっかけに、中国当局が圧力を高めた」と解釈されている。

米韓は軍事圧力強化で一致

6月30日、訪米した文在寅・韓国大統領とドナルド・トランプ米大統領(Alex Wong/Getty Images)
関連キーワード

関連特集

^