19大前最大の危険要素は「暗殺とクーデター」=専門家分析

2017年09月28日 16時34分

 来月18日、中国国内はもとより世界が注目する第19回共産党全国大会が、北京でいよいよ開催される。中国の政界にまたもや大嵐が吹き荒れるのか、それとも現政権が穏便に開幕を迎えるのか。カナダ在住の時事評論家、文昭氏が分析した。

習政権が3方面からの「安定確保」

 文昭氏は、当局は19大を滞りなく成功させるために、3方面から「安定確保」を図ってきたと指摘している。

 一つ目は、世論の「安定確保」だ。中国当局のインターネット情報事務局は、10月1日からネット上に書き込みを入れる際、全て実名登録義務を課すことを発表した。これにより、中国政府はインターネット上で当局に不都合な書き込みをした人物を、簡単に探し出せるようになり、迅速に「処理」することができる。

 二つ目は、外交関係の「安定確保」だ。8月28日、中国外交部は、領土問題をめぐりインドとの間で続いていたドクラム高地での両軍のにらみあいを終結させたと発表した。

 三つ目は、8月30日に中紀委が発表した第12回政治改革状況の報告が、中紀委による今期の地方視察が完了したことの印となり、これから19大までは、中国官界が「安定確保」期に入ると示された点だ。

官界に激震が走った孫政才の失脚 習陣営からの警告メッセージ

 こうして3つの「安定確保」を図ってきた習政権だが、19大までに、さらなる「大トラ狩り」が行われる可能性はあるだろうか。

 文氏は、19大が近づくにつれ、習近平国家主席が自ら大きな行動に出る可能性は低くなるとみている。現職幹部を失脚させたいなら、その人物を19大で直接落選させれば済むからだ。すでに第一線を退いている前職者については、特別な事情がない限り19大までに急いて失脚させる必要もない。

 習主席にとっては、目下党内の「安定確保」の重点は、選出された19大の党代表らを掌握することである。彼らに習陣営に逆らって不穏な言動をさせないため、警告として習陣営は7月15日、次期後継者とされていた重慶市委書記の孫政才(当時)を突然罷免したのだ。

 現在、孫政才はあくまでも「調査中」の段階にある。だが19大開催まで、現政権が反対勢力をけん制する必要を感じた場合、孫の処遇を「調査中」の状態から「党の除籍」や「逮捕」に切り替えればよい。そうすれば、「孫ほどの大物幹部でも逮捕立件されるのなら、それよりランクの低い我々をつぶすなど、習主席にとっては造作もないことだ」と19大代表は震えあがることだろう。

 文昭氏は、19大までに司法系統で同様の幹部失脚事件が起こる可能性があるとも述べている。8月27日、中紀委駐財政部紀検組組長・莫建成が失脚したのもシグナルの1つだ。それが無言の圧力となり、司法界の官僚も常に危機感を抱くだろうと分析している。

最大の難関は北朝鮮情勢の安定化

関連キーワード
^