スマホゲーム中毒の中国軍、新疆軍区が全面禁止へ

2017年10月13日 12時00分

 中国人民解放軍の新疆軍区当局は11日、駐新疆陸軍部隊の兵士に対してスマートフォン向けゲーム「王者栄耀」のプレイを全面禁止すると発表した。軍機関紙「解放軍報」は8月、兵士らが携帯ゲームに熱中するあまり、戦闘力に悪影響を与えたと指摘した。専門家は、軍内規律の悪化は上層部の腐敗と関係するとの見解を示した。

 禁止令によると、同ゲームは軍区内で最も人気のある携帯ゲームだという。軍区当局は「いつでも、どこでもプレイできるから、若い兵士が夢中になりすぎ、ゲームから抜け出せない」と非難されている。

 「王者栄耀」は中国ネットサービス大手騰訊控股(テンセント・ホールディングス)が開発した対戦型ゲームで、国内で1日約8000万人がプレイしている。中国共産党機関紙も7月、「負のエネルギーを拡散している」と痛烈に批判した。

 人民解放軍機関紙が8月に掲載した評論記事は、一部の士官はゲームに没頭するあまり、すでに訓練や健康状態にまで影響を及ぼしているとした。

 同報道によると、2015年に人民軍でスマートフォンの利用が許可されてから、兵士の間で「王者栄耀」などの携帯ゲームが流行った。「週末、どの宿舎に入っても、ほとんど全員がゲームに興じている」という。また、「緊急任務のため、ゲームのプレイをやむ得ず停止しても、ゲームのことが頭から離れられない」と批判した。

 軍機関紙9月11日の報道によると、北部戦区空軍の地対地ミサイル部隊が8月23日夜に行われた事前予告なしの軍事演習を行ったが、演習にならなかった。調査したところ、5人の兵士がゲームに夢中だったため、警報に気づかず、「見つかったとき、5人はイヤホンをつけて音楽を聴いたり、ゲームをやっている最中だった」という。演習責任者は「本当の戦闘だったら、恐ろしい結果になったに違いない」と話したという。

  軍当局は8月時点で、ゲームの全面禁止計画はないという。

 在米中国政治評論家の陳破空氏は以前、米ボイス・オブ・アメリカに対して、「軍上層部の腐敗」が原因で軍の規律が緩んでいると分析した。軍内では、中隊長や大隊長になるには数十万元(約数百万円)、将軍級になるには2000万元(約3億4000万円)などの相場で官職売買が横行している。兵士も入隊のため、多額の賄賂を払っている。賄賂を受け取った将校らは兵士らの生活態度を不問にしている。

(翻訳編集・張哲)

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