習近平国家主席、紫禁城でトランプ夫婦をおもてなし、その真意は

2017年11月10日 18時00分

 中国の習近平国家主席と彭麗媛夫人は、アジア歴訪で8日中国北京に到着したドナルド・トランプ米大統領とメラニア夫人を、明・清王朝の王宮「紫禁城」で出迎えた。両首脳夫婦は、かつて皇帝の即位など重要な儀式で使われ、皇帝の権力の象徴だった太和殿を参観した。その後、4人は紫禁城内の洋式建造物、「宝蘊楼」でお茶を飲みながら、歓談を交わした。

 また、両首脳夫婦は紫禁城内の主要施設を散策し、皇室の観劇施設「暢音閣」で『西遊記』の孫悟空や歴史人物の楊貴妃を題材にした、京劇『美猴王』や『貴妃酔酒』などを鑑賞した。

 中国当局はトランプ夫婦のおもてなしのために、1日8万人の観光客が訪れると言われる世界遺産の「紫禁城」をこの日に臨時閉館した。海外メディアは、トランプ大統領は「皇帝級のおもてなし」と中国側の異例な待遇を報道した。中国国内学者は、習近平氏が紫禁城でトランプ大統領を招待したことに、3つの狙いがあると指摘した。

 中国歴史学者の章立凡氏は香港紙・蘋果日報に対して、「まず、習主席はトランプ大統領の顔を十分に立てようとしていたことは明かだ」と述べた。トランプ大統領は、2期目の習近平政権が発足した10月25日以降、初めて訪中した外国首脳だ。習近平氏は今年4月の訪米以降、北朝鮮問題でトランプ氏との間で頻繁に電話会談を行い、意思疎通を図ってきた。

 「2つ目の狙いは、習氏はトランプ大統領に対して、5000年を誇る中国歴史とかつて王朝の繁栄などを通じて、現在自らの『皇帝ような』地位を獲得できたとアピールしたかったのであろう。清王朝が最も繁栄した『康乾盛世』は歴史上でも最も輝かしい時代であった。3つ目の目的は、中国文化のアピールにあるだろう」と章氏が分析。

 同じく歴史学者の李元華氏も同様な見方を示した。「習氏が、紫禁城でトランプ大統領夫婦をおもてなししたことは、大統領の訪中を非常に重視していることを意味する」と米中国語テレビ放送「新唐人」に語った。

 「また、中国5000年の悠久の歴史と文化を通じて、習氏はトランプ氏に対して『中国は依然として世界の大国だ』とアピールしたかったのだろう。文化大革命の当時、歴史建造物がどんどん破壊されていくなかで、中国当局に保護されたのは紫禁城だけだ。なので、紫禁城はその目的を果たせる唯一の選択肢となったのであろう」。

 習近平国家主席は8日の夕食会の前、トランプ大統領と、乾隆帝の書斎「三希堂」で談笑したという。夕食会の会場は、乾隆帝の執務室兼ね住居の「建福宮」だった。

 李元華氏はこれに対して、「習近平氏の狙いはよりはっきりした」との見解を示した。

 「乾隆帝自身は、中国の歴史と文化を非常に大切にした皇帝だった。彼は、自ら持っていた3つの宝物を誇りに思い、自分の書斎を『三希堂』と命名した。習近平氏が、このような中国歴史上の名君の一人である皇帝の書斎や執務室でトランプ氏と会談した。中から、やはり習氏がトランプ大統領の訪問を最重要視していることを見て取れると同時に、習氏は中華文化と歴史を世界に自慢したかったのだろう」。

(翻訳編集・張哲)

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