北朝鮮の「火星15」、日本政府は新型のICBM級と分析

[東京 30日 ロイター] – 日本政府は30日、北朝鮮が前日に「火星15」と称して発射した弾道ミサイルについて、大陸間弾道弾(ICBM)級の新型と結論づけた。北朝鮮が公開した写真や声明、飛行高度などから総合的に判断。「脅威度は上がった」(自衛隊の河野克俊統合幕僚長)としている。大気圏への再突入技術など、ICBMの実戦配備に必要な能力を獲得しているかどうかはなお分析が必要という。

北朝鮮は30日朝、前日のミサイル発射場面の写真を公開した。日本の防衛省によると、ミサイルを載せた移動式発射台の車輪が片側9輪と、7月に発射した中距離弾道弾「火星14」の発射台から1つ増加。ミサイルが大きくなったことが読み取れるという。また、先端が丸みを帯びるなど、これまでにない形状だった。

菅義偉官房長官は30日午前の会見で、「新型のICBM級の弾道ミサイルだったと考えている」と述べた。29日の時点では「火星14」の改良型との見方も一部であったが、飛翔距離、高度とも大幅に向上していることもあり、新型と判断した。自衛隊の制服組トップの河野統合幕僚長は30日午後の会見で、「エンジンなどパワーが相当上がった」と指摘。「技術を着実に伸ばしており、脅威度は上がったと受け止めている」と語った。

一方、大気圏再突入の摩擦や衝撃に弾頭部分が耐えられる技術を確立できているかどうか、どのくらいの重量の弾頭を搭載できるかどうかなど、ICBMの実戦配備に必要な能力については不明。防衛省は、分析には時間がかかるとしてる。

*統合幕僚長の発言を追加しました。

(石田仁志、久保信博)

関連記事
中国共産党の影響力工作に対する米国内の懸念が高まる中、神韻芸術団を狙った中共の弾圧・妨害工作も次第に激化しているという議論が上がっている
19日午前7時頃、パキスタン南部カラチで、駐在員5人を乗せた日系企業の車列が武装集団に襲撃され、1人が負傷した。 警察は自爆テロと断定した。 武装集団は3人で、うち2人は警察に射殺され、1人は逃走した。
海運調査会社アルファライナーが発表した2023年の世界のコンテナ港湾取扱量ランキングによると、香港港はコンテナ […]
米航空宇宙局(NASA)のビル・ネルソン長官は、中国共産党が宇宙で秘密裏に軍事活動を行っていると述べた。4月17日、ネルソン長官は、2025年のNASAの254億ドルの予算要求の下院歳出委員会の公聴会で中共が宇宙での軍事活動証拠を提出した。
中国共産党当局がフィリピンの日米との3カ国首脳会談に反対していることに対し、フィリピン外務省は18日(木)、フィリピンが日米との同盟強化を決定したのは主権国家としての選択であり、地域の緊張の根本原因は中共の行き過ぎた海洋擁護と侵略行為にあると反論した。