ロシア大統領のシリアでのIS掃討宣言、米は時期尚早との見方

[ワシントン 12日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領が、過激派組織「イスラム国」(IS)を掃討したとしてシリアからのロシア軍撤退開始を命じたことを巡り、米当局は懐疑的な見方を示し、ISに対する勝利宣言は時期尚早だと指摘している。

プーチン大統領は11日、シリアにあるロシア軍のへメイミーム空軍基地を電撃訪問し、過激派組織に対するロシア軍のシリア政府支援はほぼ終了したと述べた。

ロシアとシリアはISの最後の拠点が奪還された後にシリアが和平に向かうとの考えを示している。しかし米当局者は、国の安全を確保するにはシリア軍の規模は小さすぎ、軍事力は十分でないと指摘。政治的問題が解決されなければ、ISが再び台頭する可能性があるとみている。

米国家安全保障会議(NSC)の報道官は、ロシアのIS掃討宣言は「時期尚早だと考えている」と述べた。勝利宣言が早期に行われたが、情勢が安定しなかったケースはこれまでにもあったとした。

米トランプ政権の高官は、政治的対立が解消されない場合、シリアが再び内戦に陥る可能性が高いとの見方を示した。

ティラーソン米国務長官は12日、海外在住のシリア人の投票を認める選挙など、和平に向けたロードマップ(行程表)の重要性を強調した。

関連記事
スウェーデンの通信機器大手エリクソンは、中国の従業員240人を解雇した。同社はこれを中国事業再編の一環としている。同社最大の研究開発センターの一つに影響を及ぼすことになる。
ドイツの情報機関「連邦憲法擁護庁(BfV)」は4月24日、中国共産党による産業スパイに警戒し、甘く見たり過度に依存したりしないよう企業に警告した。ドイツ政府は企業に対し、中国に対するリスクの露出を減らすよう呼びかけているが、評論家らは多くの企業が長期的な戦略よりも短期的な利益を優先していると指摘している。
先週、ショルツ首相が中国訪問を行った直後の4月22日が、ドイツの検察当局3名の市民を逮捕した。
4月22日、アメリカとフィリピンは合同軍事演習「バリカタン(肩を並べる)24」を開始した。演習は、台湾海峡の近くで初めて行われ、中国の脅威に対する明確な対抗措置と位置づけられている。これまでにない大規模なものとなった。
自民党の麻生太郎副総裁が2024年4月23日にニューヨークのトランプタワーでトランプ前米大統領と約1時間にわたる会談を行った。この会談は、トランプ氏が再選された場合に備え、両者の良好な関係構築を図るものとみられる。