ロヒンギャ問題取材中のロイター記者2人、ミャンマーで逮捕

[ヤンゴン 13日 ロイター] – ミャンマー政府は13日、西部ラカイン州でのイスラム教徒少数民族ロヒンギャ族への軍事弾圧を取材していたロイター記者2人を警察が逮捕したと発表した。

同国情報省はフェイスブックに投稿した声明文で、Wa Lone記者とKyaw Soe Oo記者および警官2人は英国の植民地時代の1923年に制定された国家機密法に違反した罪で、最高で14年の禁錮刑が科されるとした。

声明文によると、記者らは「海外メディアと共有する目的で情報を不正入手した」とされており、手錠をかけられた2人の写真が添えられている。身柄を拘束されたのは、首都ヤンゴン郊外の警察署だったという。

2人の記者は12日、警察官らに夕食へ招かれた後で行方がわからなくなっていた。

ロイターのスティーブン・アドラー編集主幹は「Wa Lone記者とKyaw Soe Oo記者はミャンマーにおいて世界的に重要な問題を取材中で、当社は本日、彼らが仕事に関連して逮捕されたことを知った」と説明。「報道の自由に対する今回のあからさまな攻撃に憤りを覚える。2人の即刻開放を当局に求める」とした。

ミャンマー政府の報道官は「ロイターの記者だけでなく、警官の関与もあった」と述べ、「警官と記者らに対し措置を講じる」とした。

米国では、国務省のナウアート報道官が「純粋に自らの職務を果たそうとしている海外リポーターの安全とセキュリティーを気にかけている」と述べた。

ヤンゴンの米国大使館は「ロイター記者の極めて異例の逮捕を深く懸念している」とコメント。「民主主義の成功には、ジャーナリストが仕事を自由に行える必要がある」とし、「ミャンマー政府には逮捕についての釈明と、記者への即時の面会許可を求める」と訴えた。

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