THE EPOCH TIMES
中国政経分析

危機的状況でも崩壊しない中国共産党政権のカラクリ=何清漣、程暁農

2017年12月19日 12時46分

 中国経済が今後一段と失速すると予測する何清漣氏と程暁農氏は、国内の中間層・低収入層が最も大きな打撃を受けるとの見解を示した。

 中国経済のうち、個人消費を支える中間層は全人口の約50%を占めている。その中でも、下位中間層(世帯所得5000ドルから1万5000ドル、約56万円から168万円)が大半を占める。

 過去20年間中国経済は、外資誘致と不動産部バブルにけん引され、高成長を遂げた。何氏と程氏は今後の中国経済は今までのような高成長が現れることはなく、いわゆる中国当局が示した『経済の新常態』時代に突入する」との見方を示した。

 両氏は、過去20年間経済高成長の恩恵を受けた中間層は、経済の失速または停滞によって、2つの影響を受けると分析。まず深刻な失業問題だ。一部の外資企業の中国市場撤退で、現在ホワイトカラーの失業が増えているという。

 中間層に与える2つ目の影響は、中間層が持つ主な資産である住宅の資産価格が下落することだという。

 何氏によると、中国の家庭資産の約7割は不動産と住宅だ。不動産バブルによって、多くの都市部の中間層が「金持ちになった」と勘違いしている。

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「不動産バブルは中国の政治・経済・社会安定のあらゆる分野に悪影響を与えている。いま中国当局は不動産バブルの崩壊を望んでいないため、不動産価格の高騰を食い止めようとしている。このため、中国当局が今後不動産税(固定資産税に相当)の導入を計画している」と、何氏が語った。

 中間層の収入と資産が縮小すれば、個人消費が大幅に落ち込むだろうとみられる。

 一方、程暁農氏は、不動産税はいわば中国当局が中間層から徴収する政権安定化のための一つの資金源だと指摘した。

 両氏はともに、低収入層が経済の衰退でより深刻な就職難と生活難に直面するとの見解を示した。

程暁農氏:道徳の崩壊は最大の問題

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 何清漣氏と程暁農氏は同著書において、中国の現状を打開する糸口は「地方政府の自治」だ、と提案した。

 清王朝の末期に辛亥革命が起き、その後アジア初の民主共和制国家「中華民国」が誕生した。両氏の研究では、この革命の後、中国社会に大きな混乱はなく、順調に中華民国に移り変わったことがわかった。「背景には、清王朝が1905年に実施した『地方自治章程』との新政策と関係する。政権の崩壊を予測した清王朝は、社会安定を図るために地方自治を導入し、地方の名士に一定の自治権を与えた」

 両氏は、地方自治の前提は私有財産権を尊重することだと示したうえで、当局が地元の住民に選挙権、報道の自由、教育機関設立の自由を与えることも重要だと強調した。地方自治の下で、中国各地の地方政府は各地の経済・資源の状況に応じ、各自の発展方針を模索できる。

 何氏らは、現政権も清王朝と同様に、「中国共産党政権後の中国」のために、地方自治を導入するべきだとした。

 しかし、程暁農氏は楽観的ではないようだ。最大の原因は、現在の中国人の道徳水準の低さだという。「中国共産党は、中国伝統文化と中国人の固有の道徳観を破壊した。今、人々は金もうけばかりを追求し、利益のために平然と人を傷つける。人との間に信頼関係を全く築けない。将来中国が民主化を実現しても、依然多くの困難が立ちはだかるだろう」と懸念する。

(翻訳編集・張哲)

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