THE EPOCH TIMES

一帯一路に蚕食された中南米 中国警戒論が台頭

2017年12月22日 08時00分

 米シンクタンク「インターアメリカン・ダイアログ」の中国問題専門家のマーガレット・マイヤーズ(Margaret Myers)氏はVOAに対して、中国当局の最大の野心は世界経済・政治を支配することだと指摘した。そのために、当局は一帯一路を通じて、最大限にアジア・ヨーロッパ・アフリカの一体化を実現させると同時に、「ラテンアメリカをも統合しようとしている」と分析した。

 中国当局は5月に開催された「一帯一路」国際フォーラムにおいて、今後中南米諸国との経済協力関係を強化し、「中国-ラテンアメリカ運命共同体」を確立していく姿勢を示した。今年この動きが加速しているようだ。

 南米・チリの大統領が5月に訪中した際、習近平国家主席はチリとの全面的戦略パートナーシップを深めていくとの方針を示した。チリは今後、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への加入や、アジア太平洋地域自由貿易圏への参入などを計画している。

 同月、アルゼンチン大統領も訪中した。アルゼンチンは正式に、AIIBの加入を申請した。

 8月、中国北京で「中国-ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体」フォーラムが開催された。11月「中国-ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体国際博覧会」が広東省珠海市で開かれた。このイベントに62カ国・地域の524社の企業が参加した。

 ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体には北米の米国とカナダを除き、すべてのアメリカ大陸の国が加盟しており、6億2000万人の人口をカバーする。

 さらに、10月に北京で「中国プラスABC(アルゼンチン・ブラジル・チリ)地域協力フォーラム」も行われた。マイヤーズ氏によると、中国はアルゼンチン、ブラジルのほかに、チリ、ペルー、メキシコ、コロンビアなどの中南米諸国によって設立された「太平洋同盟」にも接近している。

「今後中国当局は、他の地域の経済協力統合組織にも近づこうとするだろう」とマイヤーズ氏は述べた。

 一方、20日付のVOAによると、今年出版された中国とラテンアメリカ諸国経済調査報告では、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体の「中国ブーム」が去ろうとしている。昨年、同地域の対中貿易は拡大していないという。また、中国向けに輸出されている同地域の原油や金属鉱石などの鉱物資源は全体の5分の1にとどまっている。中国当局がこれらの資源をより多く取得するため、現在中南米の採掘産業への投資と融資に力を入れている。

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 中国当局に警戒する中南米の国

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