THE EPOCH TIMES

焦点:北朝鮮スキー場での南北合宿案、経済制裁に抵触の可能性

2018年01月24日 09時21分

Hyonhee Shin

[ソウル 22日 ロイター] - 来月9日開幕する平昌冬季五輪を控え、北朝鮮の馬息嶺(マシクリョン)スキー場に自国選手を派遣して南北合同トレーニングを行うという韓国の提案は、金正恩政権を正当化するだけでなく、現金供与につながるリスクがあると、脱北者や専門家が警鐘を鳴らす。

五輪開会式における統一旗を掲げた南北合同の入場行進や、アイスホッケー合同チームの結成など、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が提案した南北融和策は、すでに国内から批判を浴びている。

もし、金正恩・朝鮮労働党委員長の肝いりで作られた朝鮮半島東岸の元山(ウォンサン)近郊にある高級リゾートを支援していると受け止められれば、文政権はさらなる圧力にさらされるだろう。

「合同トレーニング案は、一般市民が飢えに苦しむ中でスキーリゾートを建設するという本来、時代錯誤な金正恩氏の決定を、先見の明ある決断だったと正当化するプロパガンダの道具になる恐れがある」と、韓国外交部の元副部長Kim Sung-han氏は指摘した。

北朝鮮の平昌五輪参加は、この機会を利用して南北の緊張を緩和し、北朝鮮の核・ミサイル開発を巡るこう着状態を打開する契機としたい文大統領の目標だった。

韓国政府は今週、現地に担当者を派遣して、同スキー場の施設や、自国スキー選手が移動に利用するかもしれない近隣の葛麻(カルマ)新空港を視察する予定だ。合同トレーニングに参加する韓国選手は、五輪には出場しない見通しだという。

<スキー場とミサイル発射場>

2013年に正恩氏がオープンした馬息嶺スキー場は、ホテルや水族館、ゴルフ場など高級リゾート開発が進行する元山の近郊にある。元山や葛麻空港は、近年大規模な火器演習やミサイル発射実験が数十件行われる、国防上重要な地域にある。

市場経済化が進み、資産を蓄えた北朝鮮国民が増えるなか、馬息嶺スキー場は、海外からの旅行客だけでなく、こうした自国の富裕層からも外貨を巻き上げる狙いがある。

正恩氏は建設現場を何度も視察し、建設を急ぐよう指示しており、「馬息嶺速度」という、新たなスローガンができたほどだった。

国営メディアはこのリゾート施設について、「国民を愛する指導者からの、生活水準向上のための贈り物」だと激賞した。

一方、韓国政府の元高官らは、スイスで教育を受けた独裁的指導者が、市民の窮乏を尻目に自らの豪華な生活スタイルを満たすため、数少ない国の資源を流用した象徴的な例だと、同リゾートを批判している。

国営の朝鮮中央通信(KCNA)は21日、北朝鮮が示す平昌五輪に向けた緊張緩和姿勢の動機を疑う韓国政治家やメディアを批判した。

「五輪の成功に向け、南北関係を改善しようという(北朝鮮の)誠意や真意に、疑う余地は全くない」とKCNAは述べた。

<制裁の懸念>

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