THE EPOCH TIMES

中国の覇権戦略、欧州まで影響力拡大「ロシアより一枚上」=報告書

2018年02月14日 11時46分

 中国からEUへの直接投資(FDI)が2016年に前年比77%増の350億ユーロとなり、うちドイツへの投資額は110億ユーロと31%を占めた。中国が近年、欧州企業の優れた技術力を狙って、欧州への直接投資額を増加している。同時に、巨額の投資を巡る懸念もEU域内で広がっている。

 昨年6月、中国を含む外国資本の投資活動への規制に関するEU決議がメルケル独首相らの支持を得たにも関わらず、ギリシャとチェコの反対で効力が薄れてしまった。一部のEU加盟国を利用して欧州に覇権を広げる中国の動きにEU各国は危機感を募らせている。

 1月28日付けのドイツ紙「ヴェルト・アム・ゾンターク(Welt am Sonntag)」によると、EU域内で、独政府の主導の下で、技術やノウハウの流出を防ぐため、中国企業による欧州企業の買収や投資について規制強化の動きが出ている。ドイツ政府はすでにフランス、イタリアとともに、立法に向けて草案を起草し、欧州議会に提出したという。

中国共産党の本当の狙いは?

 中国共産党が欧州における政治的影響を獲得するには、2つの企みが絡み合っている。まず、何よりも重要なのは共産党政権の安定を確保することである。次は、北京は自らの政治思想や経済行為を、競争力のある国家モデルとして世界に広げようとしているという。

 報告では、こうした企みを実現させるために、中国共産党が次の3つの目標に向かって取り組んでいるとの分析があった。

 ▼中国共産党は政界や経済界、マスコミ、シンクタンク、大学などの欧州社会のエリート層に繋がる強固な人脈ネットワークを築き、中国共産党の利益に関わる具体的議題や政策議論において、広範の国際的な支持を集めている。

 ▼中国共産党はEU 内や欧米を含む西側諸国の信頼関係と団結力を弱体化させようとしている。

 ▼北京は、共産党政権の政治体制と経済制度を民主主義の代替案として、国際社会に肯定にとらえられるよう強く推し進めている。

欧州は唯一の目標ではない

 欧州は中国共産党の唯一の目標ではなく、最も重要な目標でもない。共産党政権は世界的に拡張計画を進めている。2000年から2016年にかけて、オーストラリアの政治家への外国の政治献金の8割は中国共産党とつながりのある企業や個人によるものだった。一部の政界実力者らは定年後に中国企業に雇われたという。

 キャメロン英前首相は最近、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」を支援する10億ドル(約1100億円)規模の投資ファンドの要職に就任することが昨年12月、イギリスのメディアに報じられた。中国に籠絡される欧州の政治家たちは今後も増え続けると予想されている。

 報告書の執筆者らは最後に、欧州が共産党政権の影響力を無視することは自らを危険にさらし、危惧すべき問題だと警告した。それを食い止めるには迅速で、早急の決断と行動が必要であると述べた。

(翻訳編集・王君宜)

 

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