米知日派議員「中国共産党は世界にとって大きな脅威」=米VOA

米中貿易関係や中国人権問題に精通する米共和党所属の有力政治家、ダナ・ローラバッカ―下院議員はこのほど、ボイス・オブ・アメリカの取材に応じた。過去ロナルド・レーガン元大統領のスピーチ草稿を担当したローラバッカ―議員は対中強硬派と知られている。取材中、彼は今後の米中関係や米台関係、国際社会におけるトランプ政権の役割などについて意見を述べた。「中国当局は世界平和にとって大きな脅威である」としたが、「米国は中国国民の盟友である」とのメッセージも送った。

同議員は北朝鮮による拉致問題にも高い関心を持ち、知日派としても知られている。2007年11月に訪米した「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」メンバーや拉致議連の元衆議院議員平沼赳夫らと会談した。

 北朝鮮の「指導者は狂っている」

現在、米国会下院外交委員会の「ヨーロッパ、ユーラシア・新脅威小委員会」委員長を務めるローラバッカ―議員は取材の中で、朝鮮半島情勢について、引き続き半島非核化に努め、南北の平和統一を目指すと言及した。

彼は金正恩氏について「精神的に不安定のように見える」と切り捨てた。「金一族は多くの人々を殺害した。核兵器を保有すると宣言し、数百万人の韓国人、日本人、一部の米国人の命を脅かそうとしている」と強く非難した。

下院外交委員会は、朝鮮半島問題の平和的解決を今年の最も重要任務にしていると明らかにした。

また、ローラバッカ―議員は南北統一を支持する立場を示したうえで、「民主主義や国民の人権への尊重がなければ、南北統一が難しいだろう」と述べた。さらに、「北朝鮮内部からの変革を支援すべきだ」と論じた。

 北朝鮮問題「中国側は何もしていない」

昨年から挑発行為を繰り返してきた北朝鮮の核開発問題に対して、ローラバッカ―議員は、中国とロシアが問題解決に協力していないと指摘した。

特に北朝鮮に強い影響力を持つ中国当局について、「何もしなかった」と批判。「中国の援助がなければ、北朝鮮はミサイル開発ができなかった」

昨年以降、北朝鮮が発射したミサイルが度々日本上空を通過した。ローラバッカ―議員は、国防強化を図る日本が核兵器保有国に転じる可能性が現実味を帯びているとみている。「これは中国が望む事態ではないはずだ」

「臓器狩り」を批判

 

中国の人権問題に関して、ローラバッカ―議員は、「全く改善されていない」とし、「民主的な選挙の実施や野党の存在をいまだに許していない」と批判した。

一方、米政府は「私たちは中国人の敵ではない」、「共産党の圧政に耐えている中国国民を支援しなければならない」と主張した。

ローラバッカ―議員は、中国当局に迫害されている法輪功愛好者のことにも言及した。

中国当局は、暴力的な革命主張と暴力行為が見当たらない法輪功愛好者に対して不法拘禁を続けている。「われわれが確認した情報では、当局が法輪功愛好者らを殺害し、彼たちの臓器を移植用に売買している。言語道断だ」と、中国当局が主導した臓器狩りを非難した。

 米台関係

ローラバッカ―議員は長い間、米国と台湾の友好関係を支持してきた。彼は、中国大陸と対照的に、台湾では民主主義体制が順調に発展しているとした。

米が台湾との友好関係を断絶すれば、「(台湾海峡での)戦争を許すことになる」とみている。ローラバッカ―議員は、中国の軍事的脅威に対抗するために、米政府が今後も台湾に武器を提供すると分析した。

また、中国当局の対台武力行使の可能性について、「すぐには低いが、将来50年以内には可能性が高い」とした。

 前オバマ政権と現トランプ政権の違い

ローラバッカ―議員は、前オバマ政権下で、米国は国際社会において大きな指導力を発揮できなかったとした。「外交面において、(北朝鮮などの)一部の国と交渉を行う際、毅然とした姿勢を示せなかった。以前のクリントン政権もそうだった。クリントン大統領の時、米は、北朝鮮が核武器を開発しないとの約束の代わりに、北に40億ドルの資金を提供した。しかし、周知のように北朝鮮がミサイル・核武器を保有し米国の安全保障を脅かそうとしている。これは『弱い大統領』が招いた結果だ」

彼は、トランプ大統領はこれまでの大統領と違って対外に毅然とした姿勢を示してきたと称賛した。昨年から続いた対北制裁が功を奏したと分析。北朝鮮が慌てて平昌オリンピックに参加したことが、国内の厳しい経済状況を浮き彫りにした。「これはトランプ大統領のおかげだ」

ローラバッカ―議員は80年代、レーガン元大統領のスピーチライダーを務め、当時レーガン政権の政策を熟知していた。

議員によると、レーガン元大統領が国内の高い経済成長を実現するのに約2~3年間かかった。しかし、トランプ大統領は「アメリカ・ファースト」を掲げ、政権発足してからわずか1年間で、米経済は好調さを見せている。

さらに、トランプ大統領が前大統領と最も違うところは、直接他の国の指導者と会談し交渉することにある、と指摘した。

これまでの大統領は、国連などの国際組織に頼って、世界情勢の流れを変えようとした。トランプ大統領は、米国の利益を損なわせる当事国に対して直談判を挑んでいるという。

ローラバッカ―議員はインタビューの最後に、米中の国民は交流と理解を通じてより関係を強化することを望むと述べた。

同議員は「中国国民の多くは圧政の中で大変な生活を送っている。中国国民に知ってほしいのは、私を含めて多くの米国人が中国国民と同様に、中国共産党政権を嫌っていることだ。この政権は世界平和にとって大きな脅威である。だから、われわれは中国国民の友人であり盟友であることも知ってほしい」と締めくくった。

(翻訳編集・張哲)

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