事実上の偵察衛星である光学6号機を搭載した、日本の主力大型ロケットH2Aは、2月27日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。政府は、衛星が軌道に乗り、プロジェクトの成功を発表した(NASA)

【動画】日本の情報収集衛星・光学6号機を搭載したロケット、打ち上げ成功 

核・ミサイル関連施設などを監視できる情報収集衛星・光学6号機を搭載した、日本の主力大型H-2Aロケット38号機が27日午後1時34分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。政府によると、衛星は軌道に乗り、プロジェクトは成功した。

安倍総理大臣は同日、「政府としては、この光学6号機を含む情報収集衛星を最大限活用し、今後とも我が国の安全保障および危機管理に万全を期す」とコメントを発表した。偵察衛星の仕様は、その外観も含め、政府は機密扱いとして公開されていない。

打ち上げは2月25日の予定だったが、天候不良により延期されていた。

大規模災害や日本の安全保障を脅かす事案について、内閣衛星情報センターは情報収集衛星で得た情報の判読・分析を行い、必要に応じて関係省庁にその結果を配付・伝達する。

H-2Aは、日本初の純国産ロケットH-IIロケットで培われた技術をもとに開発された。JAXAによると、4形態の標準型ロケットから選択でき、多様な人工衛星・探査機の打ち上げを可能にする。

ロケットの大きさは、H-2A試験機1号機の場合、本体は直径4メートル全高53メートル。「敷地が六畳ひと間の17階ビル」に相当する大きさだという。

H-2Aロケットの打ち上げ事業は13号機から三菱重工業に移管され、JAXAは打ち上げ安全監理業務(地上安全確保業務、飛行安全確保業務、カウントダウン時の総合指揮業務等)を実施している。

(文・甲斐天海)

関連記事
ティラーソン米国務長官が米現地時間12日、米中両国が北朝鮮の急変事態に備えているとして、核・ミサイル開発を止めない北朝鮮への武力行使の可能性をはじめて示唆した。
韓国の銀行は最近、偽100米ドル札の新版を発見した。完成度が高く、韓国のメディアは、北朝鮮が国家ぐるみで偽造した可能性が高いと伝えた。
北朝鮮が今年9月に採択された安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議の後も、30回にわたって黄海の公海上で、中国籍と推定される船舶から石油などを密輸する現場を米国の偵察衛星が捉え、日韓両政府に通報した。韓国・朝鮮日報が26日報道した。米国が新たな国連安保理の制裁決議案の採択する際に、強力な海上遮断を訴えたのは、中朝間の石油密輸拡散と関連があると伝えている。