伝統工芸新時代

漆器の町、輪島から 漆を使用したブランド『IKI –by KOHEI KIRIMOTO』スタート

日本を代表する伝統工芸の一つ漆器。艶やかで深みのある肌と柔らかな佇まいは焼き物にはない魅力がありますね。また非常に耐久性に優れ、日常の食器として古来から親しまれてきました。石川県輪島市は優美さと丈夫さを兼ね揃えた輪島塗の生産地として知られています。

そんな輪島市で1700年代より続く、輪島塗の老舗「輪島キリモト」が“漆”を活用した新しいプロダクトブランド『IKI –by KOHEI KIRIMOTO』をスタートしました。

本ブランドのディレクターは、「輪島キリモト」代表の桐本泰一の実の息子である、25歳の桐本滉平さん。新しい形で伝統工芸の継承を目指しています。

今回、完成したのは「ヒトハダに一番近いコップ」、「ヒトハダに一番近いお椀」、「ヒトハダに一番近いボウル」、「ヒトハダに一番近いお皿 大」、「ヒトハダに一番近いお皿 小」の5つの器。

全て「ヒトハダに一番近い~」と銘打っているのは、漆が自ら呼吸する、生きている素材であり、その感触が人間の肌に近いという特性を最大限活かして作られていることから。

人の肌にとても近い塗料と言われる”漆”は“手触りや口当たり”に優れ、また漆の塗膜は水分を保湿しているため、器を手に取り口を当てる人にしっとりとした漆器独特の保湿性を感じさせます。

また漆の塗膜は、酸やアルカリに強いだけでなく、金を溶かす「王水」という酸にも侵されず、耐熱、耐湿、抗菌滅菌性に優れています。これは、漆が“乾燥”ではなく“化学反応”によって固まり強い保護膜をつくるからだと言われています。

紫外線と乾燥には弱いのですが、室内で普通に使っている分には半永久的に使用できます。

今回のプロダクトは、13日まで期間限定で伊勢丹新宿店にて展示販売、以降本格的な展開を予定しているようです。

(大道修)