THE EPOCH TIMES

心の中の牢屋

2018年03月21日 01時41分

恨みを抱えて生きていくということは、赤子だったころの清らかな心から、ますます汚していく自虐行為。他人に対する怨恨で自らの苦しみが大きくなれば、生きていくのがとても辛くなります。 他人を許し、慈悲を抱けば、心の錆(さび)を落としていくことができるはず。 中国の古いことわざ「相は心から生じる(中国語:相由心生)」は、外見は、日頃の心念の善悪で変わっていくという意味があります。 幼い頃に受けた苦しみから解き放たれ、心の美しさを取り戻した少女の作話を紹介します。彼女が夢で見た光景とはー


その女の子はいつも不思議な夢を見ていました。夢の中では、沢山の人が暗い部屋に閉じ込められていて、扉には鍵とサビた鎖、中からは「ここから出してくれ」と沢山の人の懇願する声が聞こえてきます。女の子はこの夢から覚めると、毎回、胸のあたりに息苦しさを感じ、そのうち、病気になってしまいました。彼女の心は揺れ動き、イライラし、日に日に症状がひどくなっていきました。

ある時、女の子は山の向こうに、あらゆる病気を治療できるという僧侶がいると聞き、会いに行きました。そして僧侶に病気のこと、いつも見る不思議な夢のことなど全部話しました。すると僧侶は「あなたの病気は難病ではない。この金の鍵をあげよう。この鍵を胸の前に掛けておきなさい。そしてあの時と同じ夢を見たら、この鍵で扉をあけて、部屋に閉じ込められた人々を救いなさい。そうすれば、あなたの病気も治るだろう」と教えてくれました。

女の子は僧侶にお礼を言い、金のカギを首に掛けて家に帰りました。ある晩、寝ていると、またいつもの夢を見ました。女の子は僧侶の話を思い出し、閉じ込められている人たちを救おうと部屋に近づいて中を覗いてみると、そこには、お母さんの悪口を言った人、隣近所の人をいじめた人、そして幼い頃、彼女をひどい匂いのする溝に突き落とし、溺死させようとした人もいました。彼女は「この部屋を開けてはいけない、この人たちはひどいことをしたから、ずっとここにいればいい」と思いました。彼女は扉の鍵を開けませんでした。

それから半年が経ち、僧侶の言いつけを聞かなかったせいか女の子の病気はますます悪化していました。彼女は僧侶に再び会いに行きました。すると「今夜またあの同じ情景の夢を見たら必ず開け解放しなさい。これが最後のチャンスだ。でないと本当に鎖がサビついて開けられなくなる」と僧侶は言いました。彼女は今度こそ鍵を開けようと決心しました。  

夜になり、女の子はまたいつもの夢を見ました。今度は何も考えず、勇気を出して鍵をガチャとあけサビついた鎖を解きました。すると閉じ込められていた人たちが我先にと外へ逃げ出して行きました。ぼんやりとその光景を眺めていると、一人の女の子がゆっくりとこちらの出口に向かって歩いて来ました。だんだんとこちらに近づいて来ると、何だかこの女の子はどこかで会ったような気がしました。髪は乱れ、顔は垢だらけ、目はぼうっとしていて、すごくかわいそうに見えました。しかしよく見てみると何とその子は自分自身でした。しばらくすると眩しい光が彼女を照らし、それを見ていた私は、目が醒めたような気がして、びっくりして冷や汗が出ました。

この時、どこからともなく僧侶の声が聞こえてきました。「他人を閉じ込めることは、自分をも閉じ込めることだ。自分の過去を鎖で縛り閉じ込めれば、自分の心もサビつかせ、ますます恨みと悩みが、暗い部屋を築く。さあ、心の窓を開けて、光で照らし、暗い部屋を解き放つのだ」

女の子は心の中の牢屋(ろうや)を解き放ちました。全身、鉛のように重たかった身体は別人のように軽くなり、目はキラキラと輝き、頬には紅が差し、見違えるほど美しくなりました。彼女の病気は全て治ったのです。

(出典 明慧ネット)

 

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