THE EPOCH TIMES

特別リポート:凍てつく辺境の地、記者が旅した北朝鮮国境

2018年04月28日 13時00分

Damir Sagolj

[12日 ロイター] - 高いビルの屋上に据えられた双眼鏡を覗くと、向こう側からゆっくりと2人の女性が橋を渡ってくるのが見える。サビの目立つ双眼鏡は軍用タイプで、まるで攻撃すべき標的を見ているように思えてくる。

ひどい寒さのため、写真を撮るためにそこにカメラのレンズを押し当てるのも一苦労だ。

ここは中国と北朝鮮の国境地帯だ。同僚のスーリン・ウォン記者との1週間に及ぶ取材旅行では、現地における極貧の日常生活から違法経済活動まで、これまで外国メディアが目撃していない場面を垣間見ることができた。

同じビルの屋上では、手をつないだ2人の観光客も女性たちを眺めていた。彼らは自撮り棒を取り出し、国境を背景に記念撮影をした。まもなく、あまりの寒さに観光をあきらめてしまったようだ。同僚記者と私は屋上に留まっていたが、やがてカメラを構える手がすっかり凍えてしまった。ようやく私たちも下に降りた。

あたりは、まもなく暗くなる。橋の向こうに見える明かりは、北朝鮮指導者たちの肖像を照らすライトだけだった。中国側の塔の下では、非常にリラックスした様子の国境警備兵が、ふざけながら互いをビデオカメラで撮影していた。橋を渡ってきた女性たちの跡を追うべきだったが、どちらに向かったのか分からなかった。私たちはその代わりに、この街で最高の焼肉レストランを探しに向かった。

国境地帯には馴染みがある。私は自分の人生のかなりの部分、そしてキャリアのほとんどを、国と国のあいだ、戦争と平和のあいだ、「私たちと彼ら」のあいだで過ごしてきた。

イランとアフガニスタンのあいだに横たわる砂漠や、旧ソ連内の大使館のゲート、血なまぐさいバルカン紛争における包囲された都市の最前線──。どの場所にも共通することがある。どちら側から見るかによって、まるで違う顔が見える、ということだ。

その極端な例が北朝鮮の国境だ。南北朝鮮を隔てる河川やフェンスの両側で、これほど生活が異なる状況は、世界のどこを探しても他にない。そう言えるのは、私が国境の両側から眺めた経験があるからだ。

記者にとって、最も興味深いのは中国の国境だ。

陸上にある韓国との国境は厳重に要塞化されて相互の往来ができず、せいぜい非武装地帯を隔てて遠望するか、無謀な兵士の脱走を期待するしかない。韓国と北朝鮮の領海を隔てる境界線には多くの軍艦が航行し、厳密に言えばまだ戦時状態にある両国が銃砲撃を交わすこともある。ロシアとの国境は最も距離が短く、まだ分からない点もある。私にとっては、訪れたい場所リストの上位にある。

これに対して、全長1420キロ(880マイル)に及ぶ中国の国境は、実に大きな試練となる。

多くの記者と同様、私もかつて中朝国境地帯を訪れ、あちこちで写真を撮影した。だが今回は、以前から望んでいた手法をとった。国境の南から北までをドライブしたのだ。8日間かけて運転するあいだ、何マイルにもわたって、何もなく、警備兵の姿もない場所が続いた。

誰も何も警備していない状況は、本当の姿を求めている者にとっては、実は素晴らしい記事になる。

隣り合う両国の関係を示す、重要な、しかし単純化された映像が欲しければ、なじみの「ホットスポット」がある。メディア報道でよく目にするのは、国境の両端、丹東・図們(ともん)の市街周辺にある、注意深く監視され、厳重に要塞化された一帯だ。無機質な風景に、中国人観光客の姿が少しばかり彩りを添えている。

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