THE EPOCH TIMES

有名薬酒が「毒薬」と批判の医師が一転して謝罪 圧力があったか

2018年05月21日 15時38分

中国国内でこのほど、人気の漢方薬用酒、「鴻茅薬酒(ホンマオヤオジウ)」に有毒成分が含まれていると告発した医師、譚秦東氏(39)が17日、SNS「微博」を通じて、製薬会社に謝罪声明を発表した。その直後、薬用酒を製造販売する会社は、同医師に対し、企業の名誉を毀損(きそん)したとして裁判所に提出していた訴状を取り下げた。医師の家族によると、今月11日警察の取り調べを受けた後、精神疾患の症状がみられた。

中国広東省広州市出身の譚秦東氏は麻酔科医師だ。昨年12月SNS上で、「鴻茅薬酒は有毒だ」との記事を掲載し、薬酒の成分に問題があると指摘した。また、高齢者は医師からの指導がなければ、薬酒を飲まないようにと提言した。その後、生産販売側の内モンゴル鴻茅国薬股份有限公司(以下、鴻茅国薬)は、名誉毀損と経済損失を被ったとして、地元の涼城県裁判所に譚氏を提訴し、警察当局に通報した。

60種類以上の漢方薬が使われた鴻茅薬酒は、関節痛や血流の改善などに効き目があると言われている。清王朝の乾隆帝の時代に、漢方の医師が考案したとされ、中国伝統薬用酒とされた。中国商務部は2010年、同ブランドを「中華老字号(中国の老舗)」と認定した。

一方、中国メディアによると、この数年間、国内各地の食品薬品管理当局が、「鴻茅薬酒」の広告について、虚偽または誇大などの違法行為がみられたとして、製造会社に計2630回にわたって通知を送っていた。同薬酒の販売停止に関する通知も数十回以上あったという。

涼城県警察当局は鴻茅国薬から通報を受けて、今年1月、SNSに登録された譚氏の携帯電話番号などを入手し、内モンゴルから数千キロも離れる広東省広州市に出向き、譚氏の身柄を拘束した。

譚氏は後に内モンゴルに連行され、約3カ月拘禁された。「トイレの側で寝泊まり、1日蒸しパン2つしかなく、人間らしい生活ではなかった」。警察らの対応に中国世論の批判が高まり、中国医師協会も4月16日に非難声明を発表した。

譚秦東氏は同月18日に保釈された。釈放時、何かにおびえる様子の譚氏は逮捕前の意気揚々としたエリート医師とは別人のようになり、話題になった。それでも「告発を後悔していない。医者として真実を言わなければ、誇大広告は患者をだまし続ける」と中国メディアに語った。

今月11日、広州市警察当局はふたたび、譚氏に対して12時間に及ぶ取り調べを行った。

譚氏の妻、劉璇氏は14日、微博を通じて「11日夜12時、夫は帰ってきた後、部屋に引きこもった。彼はわめいたり、自分の顔を叩いたり、頭を壁にぶつけたり、独り言を言い、精神疾患の症状と思われる行動を繰り返した」と書き込んだ。譚氏は広州市の地元病院に入院した。病院では「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」が発症したと診断されたという。

しかし、15日劉氏は、微博で「さまざまな理由で、譚秦東さんの入院に関する投稿を削除した」と書き込んだ。 

釈放時、何かに怯える様子(写真左)の譚氏は逮捕前の自信満々のエリート医師と別人のようだ。
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