THE EPOCH TIMES

中国HNAグループ共同創業者が転落死、深まる謎

2018年07月09日 12時52分

中国複合企業、海航集団(HNAグループ)は4日、共同創業者で会長の王健氏(57)が、視察先のフランスで事故死したと発表した。同社が過剰債務で経営難に陥っている現在、同氏の突然の死去が国内世論に注目されている。

AFP通信によると、仏警察当局は、王氏が現地時間3日午前11半ごろ、南仏プロブァンスのボニュー村を視察で訪れた際、写真を撮ろうとして、遠方の景色を確認するため高さ約10メートルの壁を登った後に転落したと発表。警察当局は、不審死ではないとの見方を示している。

中国メディア「財新網」は、関係者の話として、「(壁に登る際)1回目では登れず、2回目でやっと登れた」と報道した。

中国国内インターネット上では、王氏の死に多くの不審点があると指摘する声が上がり、「陰謀説」「自殺」もささやかれている。

大紀元の取材に応じた中国軍元将校の羅宇氏は、同氏の死について「不思議だ。もう若くないのに、なぜ壁を2回もよじ登ろうとしたのか」と首をかしげた。

中国時事評論家の唐靖遠氏も、「中国当局が、国内では政治・金融業界での反腐敗運動、国際関係では米中貿易問題、北朝鮮問題などさまざまな難題に直面している。そのなかで、巨大企業のトップの突然の死には、やはり多くの謎が残されている」と指摘した。

HNAは近年、国内金融機関から莫大(ばくだい)な融資を受けて、積極的に海外買収を進めてきた。米メディアの昨年11月の報道によると、同社の債務規模は1000億ドル(約11兆円)に達した。

王氏の死亡で、同社の債務返済や経営の立て直しがさらに難しくなるとの推測が高まった。4日の香港株式市場では、HNA傘下企業の株価が大幅に下落した。

不可解な「生前遺言書」

中国国内では、王健氏の死因について「信じられない」との意見を持つ人が多い。その中で、同社の株主や取締役たちの間で交わされた「生前遺言書」への関心が高まった。

香港英字紙サウス・チャイナ・モーニングポストの報道によると、昨年7月、HNAが公表した株主構成では、共同創始者の王健氏と陳峰氏はそれぞれ同社の15%株式を保有し、大株主であることがわかった。両氏と、その他の10人の株主が保有する株式は全体の47.5%を占める。この12人の株主が、「HNAを離れた場合、あるいは在職中に死亡した場合、その保有株式は、HNAが設立した慈善団体、海南省慈航公益基金会(本部は海南省)と海南慈航慈善基金(本部は米ニューヨーク)が所有することになる」との内容が盛り込まれた協議書に署名した。

王氏が死亡した後、その15%株式が海南省慈航公益基金会に渡されるとみられる。海南省慈航公益基金会はHNAの22.75%株式を保有。海南慈航慈善基金は同社29.5%株式を持つ。王氏の約15%株式を加えれば、両基金会の合計保有株式が67.25%となる。

謎の株式寄付

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