THE EPOCH TIMES

アングル:代金は魚、超インフレのベネズエラで蘇る「物々交換」

2018年07月10日 21時00分

Andreina Aponte

[リオチコ(ベネズエラ) 5日 Reuters] - カリブ海に面したベネズエラ北部の町リオチコでは、真昼の太陽の下、十数人の漁師が近くのラグーンでその日捕った魚を売ろうと客を待っている。だが、彼らは現金を手に入れようとしているのではない。

捕ったボラやタイを、小麦粉や米、食用油などと交換しようというのだ。

「ここに現金はない。物々交換だけだ」と、ミレディ・ロベラさん(30)は、夫が捕ってきた魚が入ったクーラーボックスを手に、海沿いの道を歩きながら言った。4人の子どもに食べさせる食料か、息子のてんかん治療薬と、魚を交換できればと考えている。

ハイパーインフレに苦しむ南米ベネズエラでは、慢性的に不足する食料や医薬品と同じように現金の入手も難しく、市民は日用品を得るために、物々交換に頼る場面が増えている。

この国では、ちょっとした買い物やサービスの支払いにも巨大な銀行券の山が必要になるが、そのための現金の流通量も単純に不足している。

都市部の正規小売店などは、銀行振込みやデビットカードによる支払いに対応できるが、地方にあるリオチコのような人口2万人の町ではそれは難しい。

西に130キロ離れた首都カラカスでさえ、非正規に小さな商売を営む個人の多くは、銀行サービスやPOS(販売時点情報管理)端末へのアクセスがなく、対価を物で受け取ることを好んでいる。

ハイパーインフレと現金不足を背景とした、物々交換の広がりは、かつて豊かだった国が、もっとも原始的な売買の仕組みへと逆戻りしなければならなくなった窮状を示している。

「とても原始的な支払い方法だ。だが十分な現金がないこと自体、国としても、非常に原始的だ」と、コンサルティング会社ダタナリシスのエコノミスト、ルイス・ビセンテ・レオン氏は言う。

<天を突くインフレ>

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