THE EPOCH TIMES

「最も好きな国は台湾」発言の台湾人気女優が謝罪 圧力か

2018年08月06日 11時48分

「最も好きな国は台湾」と発言した台湾の人気女優ヴィヴィアン・ソン(宋芸樺) が8月2日、「私は中国人だ」とウェイボ(微博)に投稿し、中台間で波紋を広げている。近年、台湾人としてのアイデンディティを示すことで、中国から激しいバッシングを受けた芸能人は少なくない。

1992年生まれのヴィヴィアン・ソンは、映画「我的少女時代」(私の少女時代-OUR TIMES-)で第52回台湾金馬奨最優秀出演女優賞にノミネートされるなど近年、活躍を見せている。ヴィヴィアンがこのほど出演した中国の映画「西虹市首富」が公開されてわずか1週間で、興行収入は15億人民元(約244億円)に達した。

しかし、ヴィヴィアンの3年前の発言が問題視された。2015年、台湾番組「一問一答」のインタビューで、「最も好きな国」の問いに対して、即座に「台湾」と返答した映像は中国のネットユーザーに掘り起こされた。中国のネットユーザーが「里に帰れ」や「台湾独立支持派」と罵倒・攻撃のコメントがウェイボ(微博)に殺到した。

思わぬ事態に対して、ヴィヴィアンが2日、謝罪の投稿文を出した。冒頭に「私は中国人だ」と前置きしたうえで、「台湾は私の故郷でありながら、祖国大陸は私の夢が叶(かな)った所だ」、「私は中国人であることを誇りに思い、故郷も祖国も愛している。海峡両岸は一つの家族のように親しい」と説明し、かつての「一問一答」の深く考えなかった発言を反省しているとも述べた。

今まで複数の台湾芸能人が同様に「台湾独立派」とのレッテルを貼られ、中国のネットで炎上し、やむを得ず「私は中国人だ」と謝罪に追い込まれた。

韓国ユニットTWICEの台湾出身メンバー、ツウィ(周子瑜) が2015年11月、他のメンバーと共に韓国のバラエティー番組に出演。メンバーがそれぞれの出身国の国旗を持つ。ツウィが中華民国の旗「青天白日旗」を振っていたシーンが放送されたことで、台湾独立支持派と指摘され、大きな騒ぎとなった。2016年1月13日にYouTubeにツウィが謝罪動画を投稿。ツウィは頭を深々と下げ、「中国は一つしかない。私は中国人であることをいつも誇りに思っている」と声を震わせながら述べた。

当時、民進党の蔡英文主席は2016年1月16日、台湾総統選の投票を終えた後、取材陣に対し、まだ16歳のツウィは中国の圧力で謝罪させられ、多くの人々の怒りを掻(か)き立てたと非難した。

台湾の俳優レオン・ダイ(戴立忍)が台湾の「ひまわり学生運動」を支持したことが原因で、「台湾独立派」と見なされ、中国ネットで議論を呼んだ。「自分は正真正銘の中国人だ。何の組織にも参加せず、台湾独立も唱えていない」と声明文を発表しても、2016年のレオン・ダイ主演の中国ドラマから、その出演部分が削除された。

台湾のアイドル歌手、アーメイ(張恵妹)も2000年、陳水扁総統の就任式で中華民国「国歌」を歌ったことで4年間、中国で活動できなかった。

台湾を自国の一部と見なす中国政府は近年、国際社会で台湾への圧力を強めている。多くの台湾出身の芸能人が中国に進出し、金稼ぎと中国当局の意向の狭間(はざま)で苦境に立たされている。

ヴィヴィアンの謝罪事件を受け、元台湾公共テレビ総経理の馮賢賢氏は、中国政府が台湾芸能人による統一戦線工作を進めており、中国当局側の意思に従うべきではないとの見解を示した。ワシントン・グロバール台湾研究所(Global Taiwan Institute)執行主任の蕭良其氏は台湾だけでなく、中国の台頭でその独裁政治の影響力を世界にも及ぼしていると話した。

台湾メディア・中国報はヴィヴィアンの謝罪が「映画出資者の圧力によるものだ」と匿名希望の情報源の話として報じた。

(翻訳編集・柳雅彦)

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