原油先物、イラン制裁再開で小幅高 貿易摩擦巡る懸念で上値重い

[シンガポール 13日 ロイター] – アジア時間の原油先物は小幅高。米国の対イラン制裁再開で需給が引き締まるとの観測が広がる一方、世界的な貿易摩擦が激化する中で経済成長減速への懸念が上値を抑えている。

0053GMT(日本時間午前9時53分)現在、北海ブレント先物<LCOc1>は前営業日終値比0.07ドル高の1バレル=72.88ドル。

米WTI原油先物<CLc1>は0.16ドル高の67.79ドル。

米政府は前週、対イラン制裁の一部を再開した。11月からは原油も対象となる。

ANZ銀行は「米国のイラン制裁再開を受け、イランの原油輸出への影響に関心が集まっている」とし、「世界の供給水準を維持するのは非常に難しいかもしれない」との見方を示した。ただ「米国は積極的に増産しており、統計では掘削活動の拡大が示されている」とも指摘した。

米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが公表した10日終了週の国内石油掘削リグ稼働数は前週比10基増の869基と、5月以来の大幅増となった。

アジアの主要新興国を中心に経済成長や石油需要の伸びに鈍化の兆しが見られることも、原油相場の重しになっている可能性がある。

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