寒い洞窟で孤独と貧困の中 18年間ひとり夫を待ち続けた妻

結婚とは神聖なるもので、結婚式では「健やかなる時も病める時も、富める時も貧しい時も、死が二人を分かつまで」お互いを思いやることを誓うものの、現代では結婚が長続きしない夫婦もいます。

中国歴史を通じて受け継がれている、無私無欲で夫へ揺るぎない愛を捧げた妻の実話があります。


大雁塔の近くに位置する現在の西安郊外に古寒窑と呼ばれる有名な洞窟があります。ここは王(ワン)という女性が20年近くもの間夫の帰りを待った場所。彼女は賢く美しい女性で、裕福な家庭の愛娘でした。両親は同じ裕福な男性との結婚を望んでいましたが、彼女は薛仁貴(シュエ・レングイ)という貧しい男性に恋をします。

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彼はかつての将軍の血筋を引いていたものの、幼い頃に父を亡くして以来貧しい農民として生活していました。身分は低かったものの武道や古典に精通しており、彼女は彼の優しさや他人への思いやりに惹かれます。薛も彼女に対し同じ気持ちを抱いていましたが、彼女の地位を知り落胆します。

女性が刺繍ボールを投げ、それを受け取った相手と結婚するという伝統儀式があり、彼女の美しさを聞きつけた街中の若く位の高い男性が集まります。彼女の両親はそのうちの誰が受け取るのか楽しみでした。しかし彼女は既に心に決めていた薛に向かってボールを投げます。父親は激怒し反対しましたが彼女の意志は固く、勘当されます。

全てを投げ打って彼との結婚を選び、結婚後は高台にある洞窟で質素な生活を送りました。

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彼女は夫が多くの隠れた才能を持っていると確信していたので、彼に科挙を受けるよう勧めます。最初は彼女を一人にするのを嫌がっていた彼も、私は大丈夫だと言う彼女の助言に従い旅立ちます。

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それ以来彼女は荒れ果てた洞窟に一人、孤独で貧困の生活を送ります。

時折彼の知らせを聞くこともありましたが、幾度もの厳しい冬に耐え、いつになるか分からない夫の帰りを待ちました。彼女のことを心配した母親が時々食料やお金を持って彼女をこっそり訪ねては、毎回家に戻るよう説得しましたが彼女は頑なに拒否しました。

そして18回目の厳しい冬のある雪の日、夫が戻り二人はようやく再会します。彼は能力を見出され、二人の皇帝の軍隊に仕える重要な将軍となっていました。彼女の犠牲は全く無駄ではなかったのです。

ずっと夫に忠実であり続けた彼女は、卓越した美徳を持つ中国の伝統的な女性として、世代を超えて受け継がれ、多くの賞賛を受けています。

(大紀元日本ウェブ編集部)