〈特別インタビュー〉「トランプ降ろし」で結託する民主党と中国共産党 大統領選後の米国経済を占う=ナバロ米大統領補佐官

2020/11/09
更新: 2020/11/09

2020年米大統領選挙の結果は、まだ最終判断が下っておらず、最高連邦裁判へと委ねられると見られている。大紀元英字版「エポック・タイムズ(Epoch Times)」はこのほど、米トランプ政権大統領補佐官(通商担当)を務める著名な経済学者ピーター・ナバロ氏にインタビューした。

ナバロ氏によると、ジョー・バイデン氏の家族を含め、米民主党はこれまで中国共産党と職権濫用のビジネスや人権問題を考慮しない対中投資を続けてきた。また、米民主党と中共は密かに共謀しており、「トランプ打倒」という共通目的を持っていると指摘した。聞き手はエポック・タイムズ上級編集者ヤン・エキレック。


ナバロ:中国は20万人以上の米国人を殺しました。中国共産党(中共)は、何百万人もの米国人から仕事を奪い、米国に対して数兆ドルの負担を強いてきました。

ヤン・エキレック:今回はピーター・ナバロ米大統領補佐官(通商担当)に、米中貿易政策について伺います。

また 米国の団体が中国政権の「有用なバカ」になっていることや、ウォール・ストリートの対中投資、中共とバイデンのビジネス取引を巡る疑惑についても、お話を伺います。アメリカの思想リーダー ヤン・エキレックがお伝えします。ピーター・ナバロさん、ようこそ当番組へ。

ナバロ:こちらこそ光栄です。まずはエポック・タイムズに敬意を表したいと思います。あなたたちの報道は素晴らしい。中国が致死性の高いウイルスを世界に広げましたが、エポック・タイムズはそれを時系列で報道し、内容は的を射ています。世界が注目すべき内容です。

ヤン・エキレック:それでは その話題から入りましょう。GDPの成長率については後ほど伺うとして、まずは中共について伺いましょう。あなたは最近、「中国のカモーアンティファからNBAまで」という論説文を書きました。米国のビジネス界は実際、中共と協力関係にありますね。

これについて どうぞお話下さい。

ナバロ:民主党と中国共産党には、胡散臭い同盟関係があります。彼らは結託して、トランプの再選を阻止しています。民主党はもちろん、彼らのアジェンダを遂行するために、権力を取りたいのでしょう。

しかし不幸なことに、反トランプ・キャンペーンの過程で、民主党は中共のための「有用なバカ」を、育ててしまったのです。これはマルクスやレーニンの言葉で、真の目的を知らされないまま、無意識にそれを推し進めてしまう、「バカな」国民のことです。私が寄稿したニューヨーク・ポストの論説文は、ハドソン研究所でのスピーチと同じ内容です。

米国には中国共産党という化け物に、餌を与え続ける役者が多数いると、私は述べました。例をあげましょう。私はナショナル・バスケットボール・アソシエーション(NBA)の行動を見て、 二度と彼らのゲームを見ないと決心しました。彼らは口を閉ざしながらも、中国に対しては涎を足らしています。彼らは中国の搾取工場で製造した、スニーカーをスター選手に履かせて、米国の子供に売っているのですから。

彼らは、新疆や強制収容所での人権侵害や、法輪功学習者を標的にした臓器狩り、香港が強奪されたことなどには、目をつぶっているのです。NBA選手たちは これらを無視するだけでなく、厚かましくも、演台で独善的な言葉を並べて、米国は抑圧的だと非難しています。まったく嫌気がさします。もっと大きな問題は、彼らが中国の全体主義的な制度や、社会主義的な経済制度が、米国よりも優れているという、「ストーリー」を強調していることです。

また別の「有用なバカ」は、アンティファやBLM運動で略奪や放火をしていた人々です。彼らは鈍器や凍らせたペットボトルなど、あらゆる武器を持参して、ポートランドやシアトル、ケノーシャなどで街を破壊しました。世界は彼らが店に放火し、略奪しているのを目撃しました。世界は見ていましたが、中国共産党も その一部始終を喜んで見ていましたよ。中国共産党は、「ほら、民主主義で混乱が起きている。我々の独裁国家の方が安定しているだろう」と宣伝できるからです。

別の「有用なバカ」はハリウッドです。彼らの映画は中国市場を意識して、完璧に修正されていますよ。またシリコン・バレーやウォール・ストリートも、中国にお金を注入し続けています。彼らの投資先は、米国を狙う武器を製造する中国企業ですよ。非常に残念なことに、今回の選挙では、これらの一連の問題が議論されていません。

特にハンター・バイデンのパソコンから、流出した情報は衝撃的でした。このパソコンは彼のもので、パソコンに保存された文書は本物であると、確認されています。しかし主流メディアはそれを報道しません。しかし これは明確な証拠です。バイデン家は犯罪シンジケートで、まさに「ゴッド・ファーザー パート4」ですよ。ジョー・バイデンがゴッド・ファーザー、ジェームズ・バイデンがバイデンの名を利用し、世界で収益を上げる首謀者です。これが違法であることを付け加えておきます。ハンター・バイデンが、父親のためにお金を集める愚か者です。そのリベートで、父親が新たな別荘を買うという仕組みです。

これがハドソン研究所で私が講演した内容です。論説文の内容も同じです。しかし主流メディアが史上最悪の、大統領選を巡るスキャンダルを報じないことは、残念なことです。もう一つ言いましょう。私の予測ですが、今年中にジョー・バイデンはいなくなります。健康問題かあるいは弾劾されて消えるでしょう。バイデンが仮に当選しても、民主党の進歩系たちは、ピラニアのように彼を追及しますよ。これが彼らの夢だからです。膨大な証拠でバイデンを起訴し、彼を追い出すのです。その後、何が起こるでしょうか。想像もつかないでしょうが、カマラ・ハリスが大統領に就任します。彼女は外交も経済も全く経験がありません。しかし彼女の大統領就任が中国共産党の夢であり、民主党を操っている極左の夢でもあるのです。

ヤン・エキレック:あなたは民主党と中共には、胡散臭い同盟関係があると おっしゃいましたが、何か証拠はありますか?それについて もっと知りたいのですが。

ナバロ:私の専門は経済学で、補足的に産業組織論も研究しています。共謀が起こる一つの形式は、「暗黙の共謀」です。民主党と中共は「トランプ打倒」という、同じ目的を持っています。

トランプは中共に強硬だったし、民主党は権力を欲しがりました。米国人がウイルスで殺されているのに、民主党は中共を非難することを何度も拒みました。これも“暗黙の共謀”です。中国は20万人以上の米国人を殺しました。中共は米国から数百万人の仕事を奪い、

米国に数兆ドルの負担を強いてきました。民主党はそれらのことに関して、中国を非難したくないのです。もし民主党がそれを批判したら、米国民はトランプ大統領を批判しなくなるからです。だから両者は共謀しているのです。民主党と中共は自己利益に基づいた、胡散臭い暗黙の同盟関係を組んでいます。

さらにハンター・バイデンのパソコンから、ジョー・バイデン自身が、中国政府に買収されていたという、悲しい事実が発覚しました。これは露骨な事実ですよ。

1つ例をあげましょう。ハンター・バイデンと、ジョー・バイデンの弟のジェームズ・バイデンは、中国共産党と取引をしていました。当時バラク・オバマ大統領はジョー・バイデンを、「アジアへの転換」担当に任命しました。このアジア重視政策は、カート・キャンベルとヒラリー・クリントンの戦略で、ジョー・バイデンにそれを任せたのです。彼の任務は中国による南シナ海の軍事化や、サイバー攻撃をやめさせることでした。

当時、中国共産党総書記の習近平は、ホワイトハウスで開かれたイベントで、それらの事をしないと約束する文書に署名しました。バイデンがその約束を守らせるはずでしたが、どうだったでしょうか?彼は何もしなかったし、その任務を拒否したのです。その後、中共はサイバー攻撃をやめなかったし、オバマ・バイデン政権の間に、中国は急速に軍事化しました。

このストーリーをハリウッドに持ちかけても、あり得ないと言って台本は拒否されるでしょうね。しかし問題は、これが悲しい現実だということです。そういう意味でジョー・バイデンは、米国史上 最も脆弱な大統領候補でしょう。彼は精神的に大統領に向いていないし、なにしろ中共に買収されていますからね。

もしバイデンが勝利したら、米国にとって最悪の日となるでしょう。私は米国国民がこれを知って判断し、投票できることを望みます。もう一つの問題は、中共の「有用なバカ」の主流メディアが、一連の出来事を人々に知らせることを拒み、ニュースを検閲していることです。大統領も「自由な報道ではなく抑圧の報道」と、コメントしています。

更にシリコン・バレーから台頭した起業家たちがいます。ツイッターCEOのジャック・ドーシーや、フェイスブックCEOのザッカーバーグなど、彼らは全く現実を分かっていません。ニューヨーク・ポストの記事や、米国人のコメントを検閲するなんて、彼らはとてつもない被害を与えました。

ヤン・エキレック:エポック・タイムズを含む幾つかのメディアは、ハンター・バイデンのスキャンダルを調査しています。今は司法省がハンター・バイデンについて、調査していると聞きました。その他に何か情報はありますか?

ナバロ:いいえ 私が知っていることは、あなたが知っていることと同じです。FBIがこの情報を入手していたのに、1年間放置していたことも知っています。もし彼らが調査をしていたら、トランプ大統領の弾劾はなかったでしょう。これは侮辱的な証拠ですよ。この証拠があれば弾劾騒ぎは消し飛んだはずです。大統領がこの嘘の弾劾に、巻き込まれるよりも、ジョー・バイデンが起訴されていたでしょう。そうすればゴッド・ファーザー パート4が票稼ぎのために出馬して地下に隠れたりせず、おそらくバーニー・サンダーズや、リズ・ウォーレンが候補者となり、より正直でイデオロギーに基づいた選挙戦が、できたことでしょう。

厳しく聞こえるかもしれませんが、これは決して綺麗ごとではなく、現実なのです。主流メディアは米国人から、このスキャンダルを隠しています。全く信じられません。こんな事はロシアや中国、ナチス・ドイツのゲッペルスがやることです。それが米国で起きるなんて。なぜNYタイムズや、ワシントン・ポスト CNN MSNBC、CBSニュースは無視しているのでしょうか? 最悪なのはPBSニュースアワーです。ここは公平で正直で客観的な報道姿勢を犠牲にしました。このメディアは最初から、バイデン・スキャンダルは有り得ないから、報道しないと宣言していました。ジョー・バイデンの口癖を真似て、「冗談じゃないよ」と言いたいところです。

ヤン・エキレック:大統領はウォール・ストリートに重点を置いていると、批判されています。人々は中国とのデカップリングや、サプライチェーンの回帰について話していますが、ウォール・ストリートは引き続き、エンティティ・リストの中国企業も含めて、中国市場へ巨額の投資を行っています。それについてお話いただけますか?

ナバロ:もちろんです。歴代大統領の中で、トランプ大統領ほど、中国に立ち向かった人物はいません。ニクソンとキッシンジャーの頃に、米国は誤って「共産主義のフランケンシュタイン」に、扉を開けてしまったと、ニクソンは後に述懐しています。

トランプ大統領は強硬な対中政策を、実行してきました。3250億ドルの関税、ファーウェイに対する厳しい制裁、新疆の奴隷労働に関与する企業への制裁、香港の優遇措置の撤廃などです。南シナ海での「航行の自由」作戦も活発です。大統領ははっきりと、中国と一線を画していますし、引き続きそうするでしょう。ですからウォール・ストリートを重視しているというコメントは、誤解を招きます。ジョー・バイデンは47年間、中国に対してソフト路線で、中国の言いなりでした。今後 米国は中国から資本を撤収します。特に共産中国の軍事産業へ流れた資本です。

我々はこれを懸命にやっています。二期目も強硬な対中政策は続くでしょう。中国共産党は悪すぎますよ。彼らは我々の工場と仕事を奪い、米国人を殺しているのですから。ひとつ残念なことは、主流メディアがそれを取り上げず、米国人の認識を高められないことです。

中国共産党からやってきたウイルスが、米国人を殺しているのですから、我々は憤りを感じるべきだし、この問題が選挙に反映されるべきです。選挙まで後少しですが、このインタビューが視聴者にとって、少しは助けになるかもしれません。

ヤン・エキレック:なぜウォール・ストリートは、今になっても中国市場に対して、強気の見通しを持っているのでしょうか?

ナバロ:ウォール・ストリートには、ソシオパス(反社会的人格障害者)が多いのです。彼らには倫理も道徳も愛国心もなく、すべてはお金です。ですから彼らはどこへでも投資します。ジョー・バイデンが当選すると信じていれば、より多くの資本が中国へ流れるでしょう。

米国の年金基金は、米ドルが中国航空工業集団(AVIC)への投資を、許可していました。AVICはボーイングに匹敵する中国企業で、ミサイルを製造しています。米国の航空機や空母を撃沈させる武器を、製造している企業です。全く狂っています。これが退役軍人の年金だったら最悪です。こんな事はやめるべきです。しかしウォール・ストリートやシリコン・バレーには、ソシオパスが多いですからね。

ヤン・エキレック:米国のエンティティ・リストは、一部の中国企業との取引を禁止していますが、投資については規制を設けていませんね。今後は資本投資にも、規制がかかると思いますか?

ナバロ:我々はそれを始めたところです。我々は米証券取引委員会に書簡を送り、年金保証公社(PBGC)の対中投資を止めさせるよう、求めています。今後の展開を見てみましょう。もしバイデンが当選したら、それもムダになります。バイデンが当選すれば、共産中国への投資がもっと増えるでしょう。

ヤン・エキレック:最近GDPの数値が発表されました。GDPは予想より好調で、私の知る限り特に民間セクターが伸びましたね。次の四半期はどのようになると予測しますか?

ナバロ:我々は困難があることを事前に知っていました。この歴史的な経済のV字回復は、偶然ではありません。トランプ大統領は経済の運営と成長のやり方を、知っているからです。この流れの途中で大統領が変わり、ジョー・バイデンになったら、経験したことのない大恐慌を迎えると断言します。

我々が経済成長のためにやってきた事は、減税、規制緩和、戦略的なエネルギー支配とフラッキングです。グローバリストによる貿易ではなく、公平な貿易です。また防衛予算も増やしました。これはすべてなくなりますよ。このパンデミックの最中で、我々がやってきたこれらの全てがなくなれば、ジョー・バイデンとカマラ・ハリスによる、大恐慌が待っています。

ヤン・エキレック:ナバロさん 今日はありがとうございました。

ナバロ:あなたも どうぞ身体に気をつけて。