【紀元曙光】2020年12月24日

クリスマスイブ。その名の通り「クリスマス当日の夜」なのだそうだ。
▼筆者は、つい最近まで「前日の夜」と信じて疑わなかった。負け惜しみを言うようだが、そう思い込んでいたのは筆者だけでなく、ケーキとプレゼントしか眼中になかった日本の「昔の子ども」は同様だったのではないか。
▼キリスト教圏では、日が沈み、夜の帳がおりた闇の世界は「次の日」に属するという。筆者は、もとよりキリスト教の知識は乏しいので小耳にはさんだ通説しか思い浮かばないが、24日の夜(つまり25日)に、家畜小屋で聖母マリアのもとに生まれた御子がおられた。この世の救い主、イエス・キリストである。
▼カトリックとプロテスタントでは、その重点の置きどころが異なるらしいのだが、それを詳述する能力は、もちろん筆者にはない。ともかく、この聖なる夜を、神への感謝を意識しながら、静かに、家族とともに幸福な気持ちで過ごす。それは宗門を問わず、人類にとって良いことなのだろうと思っている。
▼アメリカというのは不思議な国で、歳月としての歴史は決して長くないのだが、その考え方のある部分では、非常に保守的で復古的な面がある。個人差はあろうが、彼らは、唯一神としての神の存在を絶対的に信じている。アメリカ人に日本の八百万の神を説明することは、その口に納豆を入れるより難しいので、やめておこう。
▼信仰の重要性、不可欠性についてならば、日米互いに理解できよう。それにしても神とともに戦うトランプ大統領の、あの強靭さはどうだ。信仰の力が人間を鋼鉄にもする、良い例である。