英国バイリンガル子育て奮闘記(21)

【大紀元日本2月8日】

幼稚園(1992~1994年) 読みの練習

ある日、娘を幼稚園に迎えに行ったら、あまり元気がない。ぐったりと疲れた様子で、なんとなくフラフラしていて、珍しくぐっすりと昼寝をした。特に熱があるわけでもなかった。

どうしたんだろうと悩んでみたが、思い当たるふしがない。一体、幼稚園で何があったんだろう?

次の日に先生に尋ねてみたら、毎週水曜日の午後は1人ずつ小学校1年生の部屋に行って、読みの練習を始めるようになったとのこと。どうやら、この時間は1年生の担任の手が空いているようで、この子は静かに座っていられると判断を下されると、こうして隣の部屋で、特別の個人指導が行われるらしい。元気一杯の男の子に対しては、もう少し後になってから、読みの練習を始めていたようだ。

なるほど。まだ英語が主流言語とは言えない娘にとって、いきなり英語を読まされたわけだ。自分のあらゆる神経を駆使して音と文字を繋ぎ合わせているのだろう。昼間、体育があって走り回った後でも、お迎えの時にこのぐったり状態にはならない。成人が外国語を学ぶのと同じだけのストレスを受け、フラフラになって教室から出てきたわけだ。成長した後、本人に記憶がないだけの話で、やはりもう一つの言語を学ぶということは、知力も体力も必要なんだと実感した。

因みに、娘が始めて持って帰ってきた本のタイトルは、Look!(みて!)。楽しいサーカスがやってくる絵があり、ページの左上にLook!と書いてある。次のページを開けると、サーカスの準備のわくわくするような絵があり、また、Look!と書いてある。これが7、8ページ続く。子供にとっては、一つの単語さえ知っていれば、最初から最後まで1人で全部読める本だ。娘は、何度も本をめくって、最後のページに辿り着くと、満足した様子だった。

(続く)