失敗率が高い香港系企業の大陸投資

2005年05月13日 09時38分
 【大紀元5月13日】中国大陸市場、安価な労働力に魅せられて多くの香港系企業(以下港商)が北上して大陸に投資した。しかし、香港中小企業連合会会長余継標によると、投資に失敗した者が絶対多数を占め、多くの人が全財産を騙し取られ、ひいては投獄の憂き目に遇っているという。

 80年代の改革開放後、香港人が北上して投資することが一つの風潮となったが、お金儲けができた早期の頃のおとぎ話はもはや存在しない。余継標によると、近年における港商の大陸投資については、失敗者が絶対多数を占めており、港商が最も多い深センと東莞を例にとると、成功者はわずか7万社で、約50万~100万社が事業を閉鎖している。

中国の法規は政府の裁量で変わる

 中国大陸においてこうした損失が発生する原因について、余継標によると、香港人が中国大陸で投資する際、2つの法律ー-中国と香港の法律を守る必要がある。香港の法律は明確で、かつ“疑いは被告に帰する”ので、調べて何もなければ問題はない。しかし、中国大陸ではこれとは異なり、法規や法律が政府の裁量で変わり、かつ“疑いは政府に帰する”ので、問題を起こすと非常に面倒なことになる。しかし、現地政府は、港商と現地人に対してダブルスタンダードを適用する。香港人に対してはかなり厳格で、彼らが大陸でビジネスをする際には容易に規則に違反してしまう。多くの港商は、規則に従って事を進めなければ、いつでも業務停止や破産を要求されるのである。

 余継標はこう述べている:“大陸のシステムと体制が良くない。官僚と知己になり、私的にお金を渡せば、直ちに問題が解決できるが、知己でなければ直ちに身柄を拘留されてしまう。”

 香港最大の鉄鋼会社であった耀昌企業は、香港において非常に成功し、十数億の財を成した。しかし、中国大陸にシフトした後の3、4年で全財産を失い、破産宣告がなされた。

 余継標の説明によると、その原因は、中国大陸に展開している香港企業の多くは製造業であるため、通関手続きの問題に関わってくる点にある。製造業の原材料を製品に転換した品数を報告する際、その品数について幾らかの誤差が発生することがある。大陸の税関がこの誤差を捉えて大々的な文章を書き、こうした港商を密輸の名目で、小さいものでは規則違反、大きなものでは法律違反で訴え、ひいては業務停止、破産を要求してくることは常にある話である。耀昌企業は、おそらく、“国内の官僚と丁寧なコミュニケーションをせず、国情に基づいて物事を処理しなかった”ため、最後に破産せざるを得なかったという。

 また、中国大陸において、以前は官僚が口を開いてお金を要求していたが、現在では集団で口実を作って費用を徴収してくる。政府の各部門が、それぞれ異なる規定に基づいてお金を要求してくるのである。こうした法規は厳密には違法であるが、それでも費用を支払わざるをえない。さもなければ、直ちに業務停止・退場に直面するからである。余継標は苦笑して言う:“彼らはお金稼ぎを支援することはできないが、業務停止の支援はしてくれる。”

港商の詐欺被害増加は日増

 このほか、港商が中国大陸で詐欺の被害に遇うケースが日増しに増加しており、中小企業連合会は、毎月数多くの報告を受けている。余継標によると、彼自身の会社ー-新生電機科学技術集団もまた罠に遭遇したことがある。陜西、安徽、湖南等の地で、人が電話、ファックス、電報を寄こして3000万元または1000万元分のモーターの注文を求めるとともに、会社の見本を試し、価格と品質に問題はなく、唯一の条件として、責任者が出向いてサインすることを求めると伝えてきた。彼の会社の仲間は非常に喜び、億単位の大ビジネスが成立するものと思い込んだが、後で聞くと、それは身代金目的の誘拐の罠であった。

 彼は言う:“モーター1000万元分を注文して電気機器の生産に使うとなると、その企業規模は相当に大きなものになり、ひいては国内の有名企業である美的、格力等を上回る規模になる。しかし、会社の名前は聞いたことがないものであり、身代金目的の誘拐なのは明らかであった。 ここで出向いていれば、恐らく身柄の引渡しに数十万元を要求されていたであろう。”その後、組合等の機関に確認したところ、こうした会社は確かに存在しなかった。

 余継標によると、現在、香港でお金儲けをするのは困難であるが、中国大陸は賃金や賃貸コストが確かに安いので、利潤は確かに比較的高くなる。多くの港商は、お金儲けをしたい一心で、軽率に北上して投資し、簡単に騙されてしまい、元手が取り返せなくなる。軽い場合は金銭の損失であるが、重い場合は牢獄行きとなる。一部の港商は、無実で起訴され、牢獄に留置されて大陸法院の死刑判決を待っている。

 不幸なことに、類似したケースについて、香港政府が支援をするのは困難である。現在、香港は広州と北京の事務所で香港人の救援案件を処理しているが、処理できるのは少数でしかない。

 余継標は、最後に、香港人が中国大陸において投資をする場合、入念な注意と用心を怠らないよう呼びかけた。

(香港=梁珍香)

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