経済貿易緊密化協定の下で大陸の香港系企業の詐欺被害が増加

2005/05/11 10:54
 【大紀元日本5月11日】報道によると、経済貿易緊密化協定(CEPA)の締結によってますます多くの香港系企業(以下、港商)が中国大陸への投資を行っている。しかし、これに伴い、港商が大陸で被害に遇うことは当たり前の話となっている。ある港商が江蘇省無錫市のホテルに投資した際、契約を結んでも契約を補償する法律が無く、また相手方が契約を遵守しなかったことからトラブルが発生し、大きな損失を被った。

 香港太陽報の報道によると、昨年、港商の阿偉とその友人は、無錫市において将来性のあるホテルを発見した。このため、このホテルの責任者と交渉し、1100万香港ドル近いお金を投資してホテルを改修するとともに、隣にホテルのビルを増築した。契約及び約500万香港ドル程(約64万ドル)を出資した後、意外なことに、大陸側の会社が、彼らで改修工事の責任を負うことを要求してきた。しかし、阿偉は、工事費用が市場価格よりも500万香港ドル程高くつくことに気付き、入札による改修を求めたが、相手方に拒絶された。

 報道によると、阿偉は出資後このホテルの株式を70%保有していたため、自ら会社を雇って設計・改修を行った。しかし、今年の1月末にホテル本館の改修が終わると、大陸側の会社は、阿偉に対して彼の保有する70%の株式を安く手放すことを要求してきた。阿偉はこう述べている“私たちが言うことを聞かないと、あの会社(大陸の会社)はすぐさま迷惑な行動を取ってきた。消防、衛生関係等の許可証を取得せず、私たちの職員10人を不法に監禁・殴打し、また当地メディアの力を借りて、私たちが“借金を抱えて逃げた”と訴えるなどしてきた。”

 阿偉は香港貿易発展局や工商科技局等多くの部門に助けを求めるとともに、無錫市に手紙を書いて訴え出たが、いずれもトラブルの調停ができていない。その後ある中国の官僚が阿偉に明らかにしたところによると、このホテルに投資して損失を被ったのは彼が初めてではなかった。阿偉はそこでやっと、以前も別の人がこのホテルと提携をする際に契約の条文が不明確であるために大きな損失を被ったことを知った。

 香港貿易発展局のスポークスマンによると、当局は個別の事件についてコメントはしないとしつつ、香港政府は港商に代わって賠償を求める法定的な地位にないことも率直に述べていた。このため、彼にできることは、せいぜいトラブルに遇った港商は大陸のどこの部門に助けを求め、どの弁護士に委託して訴えるべしと指導することだけであった。

 工商科技局のスポークスマンによると、港商が大陸で問題が発生した場合、香港特別行政区政府駐広東省経済貿易弁事処に助けを求めることができるが、現在のところ、こうしたトラブルは民事法と仲裁を通じた解決が主である。

 立法会の工業界議員の呂明華の見解によると、香港政府が商業活動に手を入れることは難しいが、大陸との間で相互通報をする仕組みを強化し、北上して商売をする香港人が他の港商の経験やこれに関連する資料に触れて実情を理解し、損失を減らすことができるようにすべきである。

 香港中小企業連合会会長 余継標は次のように指摘している。大陸がCFPAを締結した後、多くの港商が大陸への投資を行っている。彼は、毎日港商がトラブルに遭遇したニュースや、港商が大陸で詐欺に遇って助けを求めるケースに接している。このうち、軽いもので千数百万香港ドルの損失、重いものでは、巻き添えを受けて公安部門の捜査を受けている:一部の港商は、無実で起訴され、牢獄に留置されて大陸法院の死刑判決を待っている。

 余継標は、香港政府がこうした問題を直視し、速やかに大陸政府との間で完全な仲裁の仕組みを作り、大陸の港商を支援するよう促している。

(香港=中央社記者・廬健輝)

関連記事
注目記事
^