天津村民が汚職官僚を殺害、官僚腐敗に苦しむ地域住民

2005/06/28 11:30
 【大紀元日本6月28日】6月中旬、天津市薊県の警察は、「一人っ子政策」に違反したことをめぐり村の婦人会主任と下倉鎮の役人2人、合わせて3人を殺害した疑いで、下倉鎮南魯庄村の村民・楊貴清容疑者を指名手配した。手配文には、指名手配の原因が書かれていなかった。地元住民らの情報によれば、殺害には、楊容疑者が「一人っ子政策」に違反したことにつけ込み、村役人が彼に不当に高額な罰金を要求したことや、容疑者が所有する農地を剥奪しようとしたことが背景にあったと思われる。容疑者は6月25日に警察に射殺されたという。

 この事件に対し、多くの村民は、楊容疑者に同情的である。「極悪な官僚が大勢いるのだから、もっといっぱい殺さなければ、農民には生きる道が無い」と彼らは口をそろえて言う。大紀元は、警察当局が事件についてまったく情報を明らかにしないため、地元住民からこの事件に関する情報を聞き取りした。

 南魯庄村から10キロ離れた隣村に住む女性は、「楊貴清さんの家は、第二子を授かったため、罰金2万元(日本円28万円に相当する)を要求され、村役人にはそれをきちんと支払った。しかしこの2万元は、受け取った役人に着服され、事実を知る幹部らも、知らない振りを装い、結局、再度罰金の支払いを要求された。それに加えて、本来もらえるべきはずの農地も、剥奪された。絶望した楊貴清さんは、怒りのあまり、3人の役人を殺してしまった」と証言。

 また、容疑者と同下倉鎮のある女性の証言では「楊貴清さんには娘2人がいるのだが、男の子がほしかった。3人目が生まれたとき、役人に3.5万元という高額な罰金が要求された(日本円45万に相当する)。彼にはそんな大金は払えず、それに加え、政府は、楊貴清さんに配分した農地を剥奪した。生きる道を絶たれた楊貴清さんは、「一人っ子政策」を執行する婦人会主任である叔母と通報に行こうとした2人の役人を刺し殺した、一番殺されるべき悪人の村長は逃げだした」と話している。

 証言の中に事実の食い違いはあるものの、「一人っ子政策」の罰金をめぐり地方役人が貧しい農民に対して不正を働き、金をだまし取り、農地を剥奪したことで、追いつめられての犯行であるらしい。

 事件発生後、警察当局は楊容疑者を指名手配したが、指名手配文には、事件の詳細に関する情報が全く書かれていなかった。詳細が明らかになると、官民の対立がさらに悪化すると予測され、それを防ぐためであると思われる。

 現地の村民は「最近、いろいろな指名手配文があちこちに張り出されているが、農民たちは皆、殺人犯に同情している。楊貴清も、実際には事件後、ずっと村に身を隠していた。警察から漏れた情報によると、6月25日午前2時ごろに、村から野原に逃げ込む時、警察に射殺された。このことは一般の人はまだ知らない」と明かした。

 「極悪の役人」に苦しむ村民たち

 村民らの話によると、「一人っ子政策」に違反した人に対して、現地政府が課する通常の罰金額は、1万元から2万元で高額だが、3.5万元は村民にとって高すぎるという。

 記者: 楊貴清容疑者は村幹部を殺害したが、村民たちはこの事件をどう受け止めているのか_tong_

 某村民(男性): 農民たちは、皆安定した生活を望んでいる。窮地に立たされなければ、誰も殺人など犯したくはない。役人たちは、農民に対して悪行を繰り返してきた。殺されるのは天罰であり、我々は、当然楊貴清さんに賛同している。

 某村民(女性): 農民たちは当然殺人犯の方に同情している。役人たちは悪い人ばかりで、どんなことでも、お金を渡さなければ、話すら聞いてもらえない。今、ここでは、強盗事件が日常茶飯事のように頻発し、交通事故で死人が出ても、誰も処理しない。ここはまるで無法地帯だ。極悪の役人は殺されて当然。

 某村民(女性): 政府が農民を抑圧しすぎる。村民たちは、役人を殺してくれてよかったと、大絶賛している。悪代官らはもっと殺されるべきだ。我々農民は彼らを憎んでいる。上告すれば役人に殺され、証拠隠滅されるし、農民にはもう生きる道が残されていない。

 官僚腐敗がひどい天津地区、直訴者が殺害される事件も頻発

 天津薊県で有名な女性民主活動家・鄭明芳さんは、現地では事業が成功した農民企業家であった。しかし、役人たちは彼女に何度も賄賂を要求し、彼女は破産に追い込まれた。破産後、彼女は直訴することを決心したが、度々拘束され、命が狙われた。去年9月、鄭明芳さんは、中国政府に違法経営の罪をなすり付けられ逮捕された。裁判する見通しはなく、引き続き監禁されている。

 現地で直訴する人たちの話によると、地方政府は直訴者らを現地に引き止め、北京への直訴を阻止しているという。薊県における直訴者の境遇はもっと悲惨で、恐ろしい。彼らは、度々車による追撃を受け、政府が雇ったプロの殺し屋に追われているという。

 また、村民の情報では、去年の5月、現地の官僚がある老婦人を殴り殺した。その後、官僚は老婦人の娘さん、息子さんを逮捕し、残酷な拷問を加えながら、彼らがお母さんを殺したと自白するよう強要した。いまだに被害者の家族は、冤罪が晴れていない。

(記者・趙子法)
関連記事
注目記事
^