中国の現状とマスコミの使命

2005/05/20 09:36
 【大紀元日本9月1日】今年5月から上海の不動産価格下落が明確になってきた。不動産バブル崩壊開始の兆しと見る識者が大多数である。株式市場も連日最低価格の更新を繰り返している状況だ。すでに数回にわたって政府資金の投入により不良債権比率引き下げを図ってきた銀行の貸し出し先は、その多くが不動産担保となっているので、不良債権比率は雪だるまのように膨らむであろう。現状でさえ日本での銀行業界再編に繋がった不良債権状況をかなり上回っているというのが定説となっている。すでに年金基金などの株式市場への投入といった手段も行き詰まり、一般預金者の預金を「信託」という形で株式市場へ投入することが行われ、もはや財政によるマクロ経済の立て直しは万策尽きたといえるのではないだろうか。頼みの綱は米国向けを中心とする輸出によって獲得された外貨だが、その外貨準備もすでに株式市場などへ向けられ対外債務充当が危うくなっているとも言われ始めた。輸出は米ドルペグが支えているが、変動相場制への移行圧力は日増しに高まっている。移行しなければ早晩制裁措置が実施されるということは、米国やEUの公的機関からもすでに公然と示唆され始めている。しかし唯一の頼みの綱、輸出を引き下げる切り上げには応じにくい状況だ。

 これまで経済の循環を支えてきた大きな要素である外資導入も社会状況、経済状況が伝えられるにつれて減り始め、投資引き上げを始めた海外企業も見え始めた。各級政府の大きな財源は長期土地利用権販売という不動産収入先取りだったのだから、不動産バブル崩壊はその財源を一挙に奪うことになり見かけ上の経済活況を演出してきた地方政府による施設建設も止まる。加えて制度的に虐げられてきた農民や、破綻した国営企業など多くの失業労働者、犯罪増加、人権抑圧の加速などの社会不安、社会不満も拡大の一途をたどる。貧窮格差も完全に危険領域に入っており、前述からも見られるように年金基金の破綻も現実となり始めており、さらに問題は広がってくる。加えて役人の汚職は激しさを増し不満を加速させている。ニューヨークロングアイランド地域豪邸の最近の買い手はこういった中国汚職役人の上層部であり、そのためロングアイランドの不動産バブルが起こってしまったとも伝えられている。

 こういった現象から見て、現体制のどこに将来に繋がる要素が見られるだろうか。自浄作用の働くメカニズムを持たない体制は既に断末魔と言っても過言ではない。加えて共産党の真実を伝える「九評」が海外から流入し人から人へ、地下出版による流通などで真実を知り、共産党及び関連団体脱退を宣言する人は日増しに増え、崩壊が不可避となった今、隣人としてこれにどう備えておくべきだろうか?すでに中国に拠点を持って製造、販売を行っている企業、中国企業を取引先としている企業、各種交流を行っている団体などは何が起こるかを想定し、備えを固めなければいけない事態に立ち至っている。ソビエト崩壊のようにある程度の混迷はあっても平和的に次の体制に移行できるだろうか?体制延命のためには手段を選ばないというのが独裁政権の本質なので、そのことを念頭において社会体制の移行はどのような過程をたどるかを、今そこにある危機としてとらえなければならない。そのためには現在の社会構造を知り、どの部分が崩壊しどの部分が維持され、何が新しく入ってくるのかという筋書きを作り、検証していく作業が必要である。

 現在の真実をあまり伝えないマスコミに頼っていては判断を誤ってしまう。メディアの価値が大きく問われることになる。過去の歴史から見えることと、過去にはなかった要素を勘案し仮説を立てる根拠を提供することがマスコミの使命のはずであるが、多くの日本のメディアは充分な役目を果たしていないというのが残念ながら真実である。ましてや新華社報道を転載するだけのメディアは「罪万死に価す」と言わざるを得ない。日本のマスコミに九評関連報道が現れないのはなぜだろうか。毎日数万人、累計390万人以上(8月27日現在)の退党宣言こそ伝えなければならない巨大な社会事象ではないだろうか?

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