チェコ上院議長の訪台、「高い代償」払うことに=中国外相

2020/09/03
更新: 2020/09/03

[北京/台北 31日 ロイター] – 中国の王毅国務委員兼外相は、チェコのミロシュ・ビストルチル上院議長らが台湾を公式訪問したことについて、「高い代償を払う」ことになると述べた。外務省が31日、声明を発表した。

中国は「一つの中国」原則を掲げ、中国と外交関係がある国と台湾との公的交流に反対している。

ビストルチル上院議長らは30日、台湾に到着。経済交流の拡大が目的としており、中国政府の反対には従わないとしている。

中国外務省の声明によると、ドイツを訪問中の王氏は、ビストルチル氏には「近視眼的な行動と政治的なご都合主義の高い代償を払わせる」と警告。

「一つの中国」の原則に対抗することは「中国人14億人を敵に回す」のも同然で、チェコの上院議長による「公然の挑発」や同議長の後ろ盾となっている反中国勢力を中国政府と国民は容認しないとした。

ただ、中国政府としてどのような対応に出るのか、具体的には述べなかった。

ビストルチル氏は王氏の発言について、チェコの内政に対する干渉だと反論。「チェコは全ての国との良好な関係を求める自由な国であり、(王外相の)発言に関わらず、将来もそうあり続けるだろう」と述べた。その上で「繰り返しになるが、今回の訪問は政治的に誰かと対立することを狙ったものではない」と強調した。

台湾の王美花・経済部長は台北で、合同ビジネスフォーラムの前に記者団に対して、中国による非難を一蹴。「チェコ共和国と台湾は自由で民主的な国であり、人権に重きを置いている。われわれはチェコの人々と価値観を共有している」と語った。中国の非難に対する直接のコメントは控えた。

ビストルチル上院議長は同フォーラムで「自由と民主主義は繁栄の基礎だ」とスピーチ。訪台への中国の非難に直接には触れなかった。

議長は台湾滞在中に蔡英文総統と会談するほか、台湾立法院(国会に相当)で演説する。9月4日に台湾を離れる予定だ。

*内容を追加しました。

Reuters
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