ハイチの米国人宣教師ら誘拐、FBIが捜索協力 現地でデモ

2021/10/19
更新: 2021/10/19

[ポルトープランス 18日 ロイター] – ハイチを訪れていた米国人とカナダ人の宣教師の一団が誘拐され行方不明となった事件で、米ホワイトハウスの報道官は18日、現地の外交官チームによる捜索に連邦捜査局(FBI)が協力していると明らかにした。

FBIは声明で、宣教師らの安全確保に向けて協力していると確認した。米国務省のプライス報道官は、宣教師らの捜索と解放を支援するために少人数のチームをハイチに派遣したと明らかにした。

ハイチでは18日、当局が宣教師の誘拐事件について沈黙を守る中、誘拐多発に抗議する市民のデモが各地で繰り広げられた。首都ポルトープランスでは運送業界幹部がストライキを呼び掛けたのに応じ、小売り店舗や学校がこの日閉鎖された。民間企業は、日常的な誘拐の発生と政府の対応能力の欠如に抗議してストに加わる構えを示している。

宣教師らは米オハイオ州が拠点のキリスト教援助団体「クリスチャン・エイド・ミニストリーズ」に所属し、ハイチの児童養護施設を訪れていた。米国人16人とカナダ人1人が誘拐された。治安問題の専門家らはハイチのギャング「400マオゾ」による犯行だと指摘している。

現地の政治・経済情勢が混乱を極める中、誘拐事件はここ数カ月に一段と増えている。ハイチの人権団体「人権分析研究センター(CARDH)」によると、今年1─9月に誘拐は628件以上に上った。

Reuters
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