弥生3月。花粉症のなかった昔は特に、春は、日本人が大好きな季節であった。桜や桃の花便りとともに、卒業から入学あるいは就職など、新しい人生への期待と意気込みにあふれていた。
▼今年の春は、何とも苦しい。もちろん花粉のせいではない。この重くのしかかる濁った空気は一体、何なのか。今年は暖冬の影響で桜の開花が早く、3月の中旬と予測されているそうだ。私たちは、ウイルスに対して緩みなく警戒する一方、日本の美しい春を、可能な限り楽しもうではないか。
▼大紀元の中国語報道によると、世界に拡散した中共ウイルス新型コロナウイルス)により感染者が爆発的に増加した国は、現在のところ韓国、イラン、イタリア、そして日本であるという。昨晩、安倍首相が会見で語った内容は、主として、全国の学校に臨時休校を要請した経緯と理由についてだった。
▼筆者は、政治的スタンスから小欄を書くつもりはないし、安倍さんびいきでもないのだが、首相の言葉は伝わったと思う。国民の協力を求めて、頭を下げられた。中国の政治家のひどさに比べれば(いや比べては失礼だが)、どれほどマシか知れない。
▼もちろん、ここに至るまで後手にまわってきた日本政府への批判は多々ある。野党は「全国休校の有効性について、エビデンスはあるのか」と安倍首相に詰問するか。そんなものは、おそらく無い。だが今は決断の時、武道で言う「後の先」をとる時である。
▼片や、中国国家主席の習近平という人。よほど現状にお手上げなのか、表情がなく、死人のような顔になっている。この人、本当に日本へ来る気なのかな。